マネジメントの理解のため会社の目的や会社の構造を理解する
マネジメントを理解するためには、そもそもの会社の目的や会社の構造を理解する必要があります。会社の目的というのは、経営理念を実現することを目指しつつ、お客さんを喜ばし続けることをします。決して経営者個人のためのものではありません。会社と経営者の関係というのも、会社という客観的な目的を持つ存在に対して、経営者も経営者という1つの役割を担っていると考えてください。経営者といえど、会社の目的を実現するための1つの役割なんだということです。
会社というのは客観的にその存在があるわけでなく、経営者をはじめ、社員など人の集まりが会社となります。会社に人が集まる理由というのは、1人では実現できない会社の目的を実現するために集まっているということなのです。1人でやったほうが大きな成果を出せるとしたら社員を雇うことはありませんよね。会社を客観的な存在として考えて、捉えることができると、経営者と社員の関係というのも、それぞれ同じ目的を持った役割だということがわかります。
マネジメントとは一体何か?
マネジメントとは、部下となる社員の成長を支援することだと思ってください。
マネジメントをする人=マネージャーの役割というのは、そのマネージャーが受け持っている会社内の役割を達成することになります。その役割をマネージャー1人で実現するわけではなく、マネージャーは部下となる社員と一緒に達成をしていくことになります。
マネージャーは自らもプレーヤー(いわゆるプレイングマネジャー)となることもありますが、基本的には、部下である社員(の目標設定、進捗管理、実現のサポートなど)を通じて、自分の受け持っている役割を達成することを目指していきます。
つまりマネージャーは自分の部下が成長すること、部下に適切な目標を設定して、達成していくことを支援すること、部下である社員の成果の総和が自らのチームの目標達成に影響してくるわけです。その意味で、マネージャーは、部下である社員の成長支援をすることが役割といえます。
マネジメントは部下の管理だと思われている人が多くいますが、その本質は違います。管理することではなく、そもそも共通している目標(経営理念)を実現するために、部下のサポートをするのがマネージャーの役割なのです。
リーダーシップとマネジメントの違いについて
リーダーシップとマネジメントの違い=リーダーとマネージャーの違いについても説明しておきます。リーダーとマネージャーというとどことなく似ているイメージを持っている人もいると思います。この違いがわかると頭の中がとてもスッキリと整理されると思います。
リーダーシップ、リーダーというのは、どの方向に進むのかを決めること、決める人だと思ってください。
たとえば、この会社は●●という山を目指そうと登る山を決めるのがリーダーです。
マネジメント、マネージャーというのは、リーダーが決めた方向性に対して、上記で言えば、●●という山を登るということに対して、どのようにすれば実際に●●という山を登ることができるのかを考えて、準備をして、山を登ることを実現することをするのがマネジメント、マネージャーの役割となります。会社にはリーダー、マネージャーどちらの役割も間違いなく必要となります。
マネジメントの役割がないと、ただ登る山だけ決まっていて、実際にどのようにして山を登るのか、どのくらいのペースや時間をかえて登るのか、どのような準備、装備を持っていくのかなどなく、とにかく頑張ろうみたいな精神論的に山を登るということになります。
中小企業の多くはリーダーシップ、マネジメントともに機能していない
現実的に中小企業の多くはリーダーシップ、マネジメントともに機能していないことがよくあります。この会社はどこを目指しているのか?という方向性がわからない、見えない、曖昧な会社はたくさんあります。また、そもそも方向性がなかったり、曖昧だったりするため、その道筋であるマネジメントもぼやけてしまったり、ワンマンタイプの社長によくありますが、とにかく頑張ろうというだけでプロセスの支援がなかったりということがあります。
成功するマネジメントのやり方や方法
ここでは実際にマネジメントをしていくにあたって、どこから、どのようにしていけばいいのかをご説明します。
マネジメントにおいて最初にするべきことは方向性を示す
方向性というのは、経営理念+目標+戦略を組み合わせたもののことです。
経営理念とは
経営理念は会社の存在目的や、会社がそもそも目指していることになります。
業績を上げる経営理念の作り方も合わせてお読みください。
目標とは
目標は、概念的な経営理念を具体的な数字目標としたものです。中期経営計画など3年後の会社の目指す姿が実現できていたときに、数字にするとどのような数字になっているのかということを考えます。
戦略とは
戦略は、経営理念、目標を実現するためにどのような方法や作戦で実現するのかということです。
中小企業の成功する経営戦略とはも合わせてお読みください。
経営理念+目標+戦略を社員にしっかりと伝えることが、マネジメントの最初にするべきこととなります。社員にしっかりと方向性を伝えることで、会社の目指していることの理解となり、そもそも会社の目的、構造などの客観的な理解にも繋がります。そのことによって、会社全体が1つの共通目的、目標を有していることがわかり、一致団結して、進んでいける大前提となります。この方向性の共有なくして、実際の仕事を社員にただうまくやってもらおうと思ってもうまくいきません。それは、そもそもなぜこの仕事をやらないといけないのか、そこに理由の理解や当事者意識を持つことができているかがポイントになるからです。
社員に期待していること、未来の姿を共有する
会社の方向性を示した後で、次に会社の方向性を社員個人に落とし込みをした形で、社員個人に期待をしていること、社員の未来の姿を具体的に伝えてあげることをします。
社員に期待をしていることというのは、会社の方向性を実現していくためには、貴方の力が不可欠だし、貴方にはより成長してもらう必要があること、その成長できたときの姿がとても素敵でかっこいいものであって、社員本人もそのような人になりたいと心底思うこと、この一致があるととてもマネジメントがしやすくなります。
社員が成長を実感できる状態をつくる
会社の方向性を示し、社員個人に期待していることや未来の姿を共有すると、いよいよスタートを切れるわけです。スタートしたあとで大切になることとしては、日々の仕事の中で方向性、社員に期待していること、未来の姿に対してしっかりと進んでいることを実感できる状態=社員が自分の成長を感じることや、社員が実際に目標を達成できているという事実がとても重要になってきます。
社員自身が会社の方向性を自分も組織、チームの一員として実現したいと思っていて、かつ、将来このような成長をしたいということもしっかりと会社の方向性に合う形で実現できると社員が思っている状況があって、実際の仕事の中でそれらが進んでいる事実、実感があると社員は本当に仕事にやりがいはもちろん、とても充実感を持つことができます。
そのためマネージャーをはじめ、会社は社員が成長できる、成長実感を持てるように仕事のお願いの仕方はもちろん、成長支援の仕組みづくりをする必要があるわけです。
社員の成果をしっかりと認める、評価をする
社員が目標を達成しているだったり、成長実感を持っていることが、まず大切なのですが、その事実に対して、会社、マネージャーは社員に対して、しっかりとできていることの評価をしてあげることが大切です。社員自身が成長を感じていることが何よりも大切ですが、それをしっかりと会社やマネージャーが見てくれていて、肯定してくれているということが、社員自身とても嬉しいですし、より頑張ろうという気持ちになります。
マネジメントがうまい人は褒めることがうまいも合わせてお読みください。
このようにうまくいっていることに対してしっかりと評価をすることはマネジメントにおいて肝となります。うまくいっていないことに対しても、それ自体を責めるわけでなく(なぜなら、マネージャーの仕事は部下の成長支援、部下の目標達成の支援に尽きます)なぜうまくいっていないのか、どうしたらいいのかということを部下の社員からの相談などに応じて、サポートすることがもちろん大切になります。
ここで言っている評価というのは、よく頑張っているねとか、●●ができるようになったねというフィードバックなどもそうですが、給与面などもよくなるように設計しなくてはいけません。お金は間違いなく重要な要素になりますので、会社として社員の成果、成長に応じてしっかりと評価がされる仕組みをつくっていきましょう。
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