マネジメントがうまい人は任せることがうまい

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マネジメントがうまい人は間違いなく仕事を任せることがとてもうまいです。仕事を任せることがうまいというのはどういうことでしょうか。

ここでは、「任せる」ことについてご説明していきます。

任せることが社員を成長させる最も効果的な方法

「人を育てるための最も効果的な方法は任せること」だとドラッガーは言っています。

任せるということはマネジメントの基本になります。

そもそもマネジメントとは、社員の成長支援、目標達成の支援です。社員を成長させることを実現しようと思うと、社員に仕事を任せることを通じて、社員を成長させる必要があります。

任せることが下手な上司がやっているマネジメントの失敗

任せることに関してよくある失敗をご説明していきます。任せることはマネジメントにおいてとても重要なポイントになりますが、大きな失敗をしている人が多くいますので注意が必要です。

任せる仕事の範囲が狭すぎる

任せる仕事の範囲が狭すぎるということがあります。仕事の工程のごく一部分だけ切り取って仕事をお願いしていたり、上司の雑用係的なイメージで仕事を任せているということもよくあります。

何のためにマネジメントがあって、何のために任せるのかというと、社員の成長を実現するためです。社員の成長によって目標が達成されていきます。最も重要な目的である社員の成長を意識をして任せることをしていきます。そのため、任せる仕事の範囲、内容はとても重要になります。では、どのような観点で任せる仕事の範囲、内容を決めればいいでしょうか。

部下の期待する将来の姿から逆算をして仕事を任せる

マネジメントの第一歩として、会社の方向性を社員に伝える必要があります。その後、会社の方向性に対して、社員個人に期待をすることを伝えます。将来このような姿になってほしいということです。社員に任せる仕事というのは、まずは、この将来の姿より逆算して考えていけるとよいと思います。

マネジメントの意味や目的を理解し、マネジメントがうまくできる人になろうも合わせてお読みください。

社員の成長を考えて少し高い目標の仕事を任せる

社員の成長を考えて、基本的に、少し高い目標の仕事を任せるようにしましょう。

あまりにも難しい、高い目標ではいけませんし、すぐに、簡単にできてしまう目標でもよくありません。できないことはないけど、努力が間違いなく必要という仕事を任せることを意識しましょう。

任せると放置が一緒になっている

任せることが実質的に放置になっていることがよくあります。

任せることと放置は全く異なります。仕事の目的、ゴール、期限などを伝えつつ、うまく仕事ができるように支援することが任せることです。放置というのは「●●やっておいて、以上。」という形で、仕事の完成など支援をすることはありません。任せることはただ仕事をお願いすることだけではありません。

任せる仕事の背景、目的などを説明しない

仕事を任せるうえで、任せる仕事の背景、目的などを説明しないで、とにかくこれをやっておいてという形で仕事をお願いすることがあります。これはよくありません。人はなぜその仕事をする必要があるのかという背景、目的を理解することで、求められていることや、納得感、当事者意識を持つことができ、とても仕事が円滑に進んでいきます。

マネジメント、その中の任せるということは、ただ仕事をやっておいてとお願いすることではありません。

実質的に任せていないでマイクロマネジメントをしている

よくある任せることの失敗として、任せているにもかかわらず、マネジメントをしている上司が部下の社員にあの件どうなっている?とか、▽▽の件についてはこのような手順で進めなさい、とものすごく細かく関与してしまうことがあります。これをマイクロマネジメントと言います。干渉しすぎている状態のことです。

任せるということは、任せた社員の考え、やり方をまずは尊重しなければいけません。もちろん任せる際に何かルールやポイントがあれば上司は伝える必要がありますが、いざ任せてから様々な口出しをしたり、過剰なホウレンソウを求めるようなことをしてはいけません。

部下の社員の目線でみると、自分で仕事をしているという感じがせずに、主体性、自立性を奪われているような気がして、とても窮屈に感じてしまいます。

任せることがうまい人がやっているマネジメントのノウハウ

ホウレンソウのルールを最初に決めている

仕事を任せる部下との間でホウレンソウに関するルールを任せる際に決めています。

ホウレンソウのルールを決めることによって、マイクロマネジメントに陥ったり、放置にならないように、マネジメントや任せることの目的である、社員の成長を実現できるような仕組みをつくっています。

おススメのホウレンソウのルール

ホウレンソウのルールは、たとえば、

 

・毎週水曜日の朝礼後に20分、任せている仕事についての進捗共有をすることにしている

・日報内に進捗を表記するようにしている

・●●のような状況になったら、即相談をする

など、明確に決めておくということです。このことによって、上司、部下ともに仕事をとてもしやすくなります。

なぜあなたに任せるのか当事者意識を醸成している

任せることがうまい上司というのは、なぜこの仕事を貴方に任せるのかということを説明しています。

先にも書きましたが、仕事の背景、目的を説明しないで、ただ仕事をやっておいてと言われた場合と、「この仕事は△△さんにとってははじめての仕事で、こういう経験ができるのでこの仕事をやってもらいたいんだよね」と、仕事の背景、目的を伝えることができると、部下である社員の仕事に対する理解、取り組み方を変えることができます。

ポイントは、なぜ貴方にやってほしいのか?ということです。社員に当時者意識を醸成できるかどうか、これはマネジメント、任せることがうまい人の典型です。

マネージャーと部下の関係をしっかりと理解させている

マネジメントがうまい人はマネージャーと部下の関係をしっかりと理解させています。

マネージャーと部下の関係というのは、偉い、偉くないという関係でなく、同じチームであって、マネージャーは部下の成長支援をすることが役割であることを理解させています。

このことによって、部下の目線においては、心理的安全=上司は自分をサポートしてくれる人だという認識ができます。このことによって、部下は安心して仕事を進めることができるのです。

マネージャーと部下の関係をマネージャーも部下も間違えて理解している場合で最悪なケースとして、部下は上司に仕事を管理されていて、仕事ができなかったらめちゃめちゃ怒られるので、仕事ができていないことなどをはじめホウレンソウが全くできないような状況になっているということがよくあります。

上司と部下の関係がどのようなものなのか、構造として、マネジメントの目的などを理解させることによって、とても良い関係をつくることができるのです。

いつもアクセスしやすい状況をつくっている

マネジメントがうまい人というのは、いつでも部下である社員がアクセスがしやすい状況を意識しています。ここでいっているアクセスというのは、相談しやすい雰囲気だったり、部下との関係づくりだったり、公正な対応だったり、部下の心理的な安全を確保や成長支援を実現するための前提のことを言います。

上司の仕事というのは、部下の成長支援になりますので、その役割からすれば当たり前なのですが、アクセスしやすい状況を実際に作り出せている上司は少ないです。部下の目線でみた際に、もし、上司がいつも不機嫌そうで相談しにくい、コミュニケーションが少なく信頼関係があまりない、理不尽な判断をする、と思われていたらどうでしょうか。部下の目線に立った際に、部下に迎合するわけではなく、ただ、部下からした際にアクセスをしやすい状況をつくっておく必要があります。

マネジメントがうまい人は褒めることがうまいも合わせてお読みください。

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