社内報とは?社内報の効果的な作成のしかたと運用のポイント

組織/仕組みづくり
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社内報とは

社内報とは「社内広報」の略語です。社内報は昭和の時代、会社で働く人が多かった時代、会社に関する様々な情報を働く人に伝えることが始まりと言われています。一般的には社員に対して、会社のことを知ってもらう情報発信誌です。昭和の時代は冊子として数ページの物がありましたが現在はA4用紙両面(A4サイズ 2ページ分)の情報か、A3用紙両面(A4サイズ 4ページ分)の情報が主流になっています。また、紙でなくクラウドを活用しての社内報を作成する会社も増えています。

社内報で発信する内容

・経営者の企業理念説明

・会社運営に関する思い

・お客様との付き合い方

・新規顧客紹介(新しいお客様を社内で共有する)

・社員に取り組んで欲しいこと

・社員を紹介するインタビュー記事

・社内イベントの様子

・社内ルール変更の周知

・業務に関わる業界に関する記事

 などです。

このような情報を発信し、理念の浸透やコミュニケーションを図るツールとして用いられています。

ニュースレターやメルマガとの違い

ニュースレターとは

近年、小さな会社では、会社の情報をお客様にもお知らせし、ファン作りの一つとして「ニュースレター」を発行しています。

ニュースレターはお客様に社内の情報を発信します。

ニュースレターの内容

・企業理念説明

・社員紹介

・社内イベントの様子

・お客様にもプラスになるマメ知識情報

例えば 業務に関わる業界に関する記事、グルメ情報など、ニュースレターの用途は、1度でもご縁があった方や、既存のお客様などに会社のことを思い出して頂けるよう情報発信をするツールです。

社内報と同じような、経営理念の説明や社員紹介がありますが、多くはお客様にとって「お得」になる情報を含んでいます。

あからさまに「買ってください」というメッセージは入れませんが、「〇〇が入荷しました」「法改訂 〇〇が変わります」のようなビジネス情報が多く、そこから問い合わせや成約に繋がるようにします。

メルマガとは

メルマガは、ニュースレターのお役立ち情報をまとめ、メールでお客様に届けます。

ニュースレターは紙で発信されることが多く、年齢、性別、業種を問わず活用できます。

例えば店舗経営の場合、お店のレジ横に置き、お客様に手に取って頂るように配置し、広報活動の一つとして活用されています。

メルマガは、SNS情報を登録している方限定で、情報発信ができます。20代~30代の若い方や、仕事でSNSを頻繁に活用する方に情報を届けるには効果的です、ご年配の方や、SNSを積極的に利用しない方には情報が届きません。

ニュースレターもメルマガも、お客様に忘れられないように、少しでも読んでいただけるように「お得な情報」に重きが置かれます。

経営者の考え伝え、社員と意思の疎通を図る社内報とは異なるものです。

社内報の目的

一般的な社内報の目的

社内報は、経営者の思いを伝え、社内コミュニケーションを図ることを目的に行われます。

例えば何故、「社員の幸福実現を目指す」という会社の経営理念を作ったのか、その経緯や思いを朝礼で話すよりも、社内報にシリーズ化して説明をすると理解度が深まり、浸透しやすくなります。

業務の一部を変更する時、朝礼で説明後、社内報で詳しく変更の理由や変更点、ミスの防止行動やクレーム対応方法などを記載し配信します。

不明点が生じた場合、経営者がいなくても「社内報を見て」という共通言語が生まれ、変更後も作業効率を落とさずに業務を行うことが出来ます。

このように、社員全体に同じ考え、同じ行動を取ってもらうことを目的に社内報は作成されます。

経営者と社員の意識を合わせる、業務を円滑に行うなどの社内コミュニケーションを図る事を目的に活用されます。

小さな会社の社内報の目的

小さな会社は社内報を活用することで多くの効果が得られます。 

例えば「社員の幸福実現を目指す」という、経営理念を作った理由と、実現するために、社員は何をすべきかという行動も社内報に記載します。 

社員は社内報の内容を行動指針として、業務に活かすことが出来ます。 

経営者や指導者が不在でも、社内報を活用して、仕事の取り組み方や判断基準を伝えておけば、社員1人でも仕事が行えるかもしれません。社員教育のツールとしも使えます。 

更に、お客様とお話をするきっかけに使う事も出来ます。

例えば、新規のお客様とお会いする時に、会社案内と一緒に社内報を渡します。 

事業内容の説明だけでなく、経営者とはどんな人物なのか、一緒に働く社員はどんな人なのか、なぜ自分はお客様にこのような接し方をしているのかなど説明することが出来ます。

事業説明をする社員が共有の会社説明のツールとして活用することもできます。

社内報は

・経営者の思いを伝える

・経営者の思いを行動に移す行動指針の提示

・お客様に対する思い

・お客様にどんなお役に立つことが出来るか

・社員の個性と仕事の役割

など、経営者の思い、社員の思いを書いたものです。小さな会社だからこそ、このシンプルな情報が会社の魅力として伝えられます。

このように社員が教えた経営理念や事業内容をお客様に話すことで、理念実現に近づく活動が行えます。

小さな会社は、多くの資源が足りません。経営者の思いや社員の人となりを社内だけに発信するだけもったいないです。社員の家族やお客様にも発信することで、会社を支えてくれるファンになることもあります。

小さな会社だからこそ、社内報を活用しどのような効果を得たいのか考えることが大事です。

社内報の効果

社内報を使うと、どの様な効果が得られるのか整理します。

経営理念の浸透が図れる  

小さな会社は一致団結して取り組むことで、理念の実現性が高まります。同じ目的に向かって取り組む仲間はチームです。その仲間に役割が割り振られることが組織化の一歩です。

経営者が理念について説明をし、どのような思いで会社を取り組んでくのか共有することが大事です。

理念を名刺のようなカードに記入し持ち歩かせることで、理念の浸透をさせる方法もありますが、「なぜ、このような理念を考えたのか」という詳しい経緯や理由は伝えきれません。より詳しく伝えるのであれば、社内報が効果的です

更に、その理念を実現するにはどのような行動を行えばいいかという内容も、「お客様には元気に挨拶をする」という行動指針だけでは、説明が足らず、実行に移しきれない事もあります。

なぜ、「お客様には元気に挨拶をする」という行動を求めているのかという説明がある事で、社員は行動に移しやすくなります。

加えて、役職の人はどこまで何をするのか、事務担当はどこまで何をするのかという、仕事の役割(行動範囲)を示したり、相関図として仕事の関係性を示すことで、組織としての行動が行いやすくなります。

言葉では中々説明が出来にくい思いの共有や仕事の役割を示すことで、理念の浸透がしやすくなります。

経営理念を社員に浸透させる8つの効果的な方法もお読みください。

社内、社外の人とのコミュニケーションが図りやすい 

経営者の思いは社内報だけでなく、朝礼でも知ることはできます。

しかし、社員個人個人の思いを知る機会は、あまり多くありません。かつては、仕事が終われば全社員が一緒に飲みに行ったり、休日を共に過ごしお互いを理解しあう関わり方が盛んでした。

しかし、令和の時代は集団より個人でいることを好む方が多く、仕事が終わっても社内の方と交流をしない。休日まで付き合わないと考える方が増え、社員同士を知る機会が劇的に少なくなりました。

近年はインターネットのオンラインでの業務に変わる傾向があり、ますます人と関わる機会が減少してきます。このような時代だからこそ社内報を使い社員同士の人となりを理解する機会を作ります。

小さい会社であれば、新しく入った人を紹介することが多いと思います。

しかし、新しい方は、既存の社員さんと話すきっかけが無く、何カ月も孤立化することもあります。そこで、新しく入った人には、翌月から社内報を担当させ、経営理念についての記事や、既存社員の紹介記事を書かせてみます。これにより、新しい社員に理念浸透のトレーニング機会が出来ます。

既存社員と話すきっかけや、知る機会も出来ます。既存社員も新しい社員が入る度にインタビューをしてもらい、記事にしてもらう事で新たな側面が見えることもあります。

更に、社員の家族やお客様にお配りすることで、外部のコミュニケーションが図れます。店舗営業など営業活動する方は、「今回の新人、社長のことこんな風に紹介してます。」とお客様との会話のきっかけにすることもできます。

社内、社外でコミュニケーションが取り難い時代だからこそ、社内報の活用は効果的です。

社内報の反応から自社のサービスや社員対応の見直しが出来る 

社内報は配るだけでなく、その後の感想を聞き出し、事業活動の参考にすることが大事です。

例えば社内で業務内容の改善があり、それを社内報で周知したとします。多くの企業は周知して終わりです。何か意見があっても「変更があったんだから、その通りに従って。」という話しで終わります。

しかし、小さな会社であれば、何か意見があったら、それを聞き入れることで事業改善のヒントになることがあります。お客様に社内報をお渡しする場合も同様です。お客様に経営理念や行動指針が記載した社内報をお渡しすれば、その記載通りの言動を期待されるでしょう。

もし、その通りになっていない場合は、

「もっと、こんな行動をするといいよ」

「あの社員、この通りにしていないよ」

と、お客様から見た理念実現に向けた取り組み方の情報を得ることが出来ます。これをクレームと捉え、ただお詫びして社員を叱責するか、情報提供と捉え改善策を考えた行動をするかでも、理念の実現性に差が出るでしょう。

社内報をお客様にお渡しすると、自社では気がかない視点で情報を提供してもらえ、業界改善や新規事業への展開に繋げることが出来ます。

社内報は社員を成長させるツールとして使える

小さな会社で社内報を作成することは、絶好の社員教育の機会となります。多くの場合、社内報を作る時は、特定の方(例えば経営者事務の社員)が担当になります。

しかしそれでは、その担当者だけが社内の知識が高まり、他の社員は会社に対する理解が深まらないことがあります。小さな会社で社内報を作成する場合は、全社員で担当の割り当てを行い作成します。営業も、設計も、事務も、どのような職種であっても必ず担当させます。

 記事は内容を理解しないと書けません。特に日ごろ接していない仕事について記事を作成するときは、絶好の学びのチャンスです。

事務の方が、自社の営業に関する工夫についてインタビューをすれば、営業の大変さが理解できるでしょう。

鍼灸師が経理の仕事内容や日々の作業をインタビューすることで、経理の仕事の大変さが理解できるでしょう。

日ごろ使わないパソコン操作や、説明する力などを意図的に使わせるのも教育的な効果があります。

経営理念の解説や、社員の紹介、自社サービスの説明(強み、弱み)などを全社員に書かせた場合、1つとして同じ記事にはならないはずです。

経営者はその書いた記事の内容から、社員一人一人理念に関する理解度、解釈の仕方を把握することが出来ます。

そこから商品サービスの説明方法、仕事の取り組み方について指導を行うことが出来ます。小さな会社は、社内報を活用して、社員の能力を測り、状況に応じて勉強会の企画や、OJTとしてトレーニングを計画し、社員を成長に導くことが出来ます。

読み手によって発信方法を工夫し発信力を高める

作成した社内報はどのように発信するかを考えることが大事です。社内だから全員紙で配布とか、全員SNSで配信としても、年齢によって受け止められる(読みやすさ)は異なります。

例えば、20代前後の方々は圧倒的にSNSを使って情報を入手しますので、社内報もデジタルの方が受け取りやすいです。

反面、年齢が高い方はデジタルよりも、紙の情報の方が受け取りやすい(読みやすい)というケースもあります。

また、紙でお渡しすることで、コミュニケーションが図りやすい方もいます。発信する側からしても、紙よりもデジタル化し、社内SNSを活用して発信した方が、低コストで発信も簡単です。

しかし、折角作成した社内報も、読んでもらえなければ、効果が得られません。社内はもちろん、社外のお客様や社員の家族にはどのような発信の仕方であれば、確実に読んでもらえるのか、発信方法を工夫することで、情報伝達の効果を高めることが出来ます。

社内報の作り方

社内報によって様々な効果が得られます。実際に社内報を作成するにはどのようなポイントがあるのか確認しましょう。

社内報の目的を定める

社内報を作成するのはどのようなことを伝えたいのか、伝える目的を明確にします。

例えば、

  ・理念を浸透させる

  ・組織としての活動を強化したい

  ・コミュニケーションを強化したい

と、伝えたい目的によって記事の内容が変わります。社内報の記事はいくつかの内容が含まれます。

例えば、社員紹介、仕事の段取り解説というようなことも記事に含めるとしたらこれらも「理念浸透」に該当する記事にします。

社員紹介であれば「〇〇さんの理念実現の工夫紹介」

仕事の段取り解説であれば「このような仕事の段取りが理念実現に繋がる」

という内容です。

ただ何となく、社内のお知らせをするのではなく、社員にを伝えたいのか、ファンとなってもらいたい方々に何を伝えるか、その目的を決めて記事を書くことがポイントです。

掲載記事を決める

社内報をどれくらいの頻度で出すのか、どのような内容を記事にするのかを予め決めてきます。

例えば、

6月1日:経営理念の変遷1(何故この理念を考えたのか)、社員紹介、社内イベント(BBQ大会の様子)

7月1日:経営理念の変遷2(何故この理念を考えたのか)、仕事紹介、行動指針の説明

8月1日:経営理念の変遷3(何故この理念を考えたのか)、社内ブーム、我が社のこだわり(大事にしている事)

というように、大まかなテーマと発信日を決めてきます。3ヵ月先を常に計画しておくと良いです。よって、6月の発信が終わったら、9月のテーマを決めておきましょう。

作成担当者を決める

小さな会社は全社員持ち回りで担当します。何月を誰が担当するかというのも、予め決めて置きます。出来るだけ、2人~3人で担当し、1記事1名のように割り当てると業務に負担がく行えます。

また、担当も同じ部署の人で担当せず、普段話をする機会が少ない異なる部署同士で担当をすると、社内コミュニケーション力が高まり教育効果も期待できます。

社内報のレイアウトを決める

社内報の情報はあまり多くならないようにします。 A4サイズ両面に収まるような情報に絞ります。 レイアウトの例としては、

表面:企業名、タイトル、その下に経営理念の説明

裏面:社員紹介、仕事の取り組み方

というように、大まかな記事の内容と枠組みを作ります。Wordなどを使って予めテンプレート化しておいても良いでしょう。

 紙で印刷して配布するか、Webで発信するかの違いはありますが、記事のレイアウトは共通で活用できますので予め決めてきましょう。

読みやすい表現を考える

社内報は読んでもらうことで思いを伝えるが大事ですので、相手にとって分かりやすい表現を意識します。

例えば、レイアウトが決まればそこに収まる字数も限られます。短い表現で相手に誤解がないように記入することを心がけましょう。業界用語、専門用を使う場合は、共通認識を図るために必ず解説を入れましょう。

これはかなり重要なことです。

また、言葉の説明でイメージが出来にくいこと、リアリティを伝えたい場合は写真やイラストを活用します。これも情報の共通認識を図るためです。

例えば、店舗営業をしている所で「次回来店のお客様に小さなクッキーを2枚配ります。各自で用意してください。」と文章で説明されると、読んだ方それぞれイメージするクッキーを用意するかもしれません。この時、クッキーの写真やイラストがあれば、読んだ方全員が同じクッキーを用意することが出来ます。

このように、情報発信をするとき、読み手に誤解が生じないように言葉を選び、共通イメージを持たせる写真やイラストを使うのは非常に効果的です。

社内報の運用のポイント

社内報は作っただけでなく、発信と相手の反応を確認し、課題などを次回改善し情報共有するところまでが運用のポイントです。

発信日を決める

「掲載記事を決める」の部分で事例を出しましたが、いつ発信するかを予め決めてきましょう。

毎月必ず発信するのが難しければ2ヶ月に1度のペースで計画しても良いでしょう。他の仕事との調整をして無理のいスケジュールを考えましょう。

発信後の反応を見る

社内報を発信したら、読み手の感想を聞く場所や機会を作ります。

例えば、社内であれば無記名で感想を書く箱を置くとか、社内SNSで書き込む場を作るなど、意見が言える場を作ることが大事です。

また、お客様に発信した場合、発信後1週間以内に感想を聞きに伺うなどのアクションが営業活動のきっかけになります。

社員の家族に渡した場合は、忌憚のない率直な反応が聞け、改善情報になる事もあります。

例えば、経営者の理念説明は社員にとっては良く聞く話なので、特に感じないが、社内報で家族が読んだ時「意味が分からない」と言われれば表現の工夫をした方が良いかも知れません。

社内では聞けない意見を、社外の人が聞かせてくれることも、小さな会社にとって貴重な情報になります。書いた内容がどのように受け止められるのか、反応を見ることも理念実現を目指すには欠かせない情報です。

次回記事の準備

発信後、2週間以内に次回記事を作成するミーティングを実施します。予め記事のテーマは決めていても、発信後の社員やお客様の反応などから、見直しが必要な場合があります。

また社員教育の観点から、役割の分担をししたり、誤字脱字を確認する校閲の日時などを決め、発信予定日に間に合うように作成を進めていきます。

発信した翌日から、次回の発信を目指して計画的に取り組むことがポイントです。

社内報の管理

発信した社内報を、どのように管理していくのかも予め決めます。

例えば、

・紙で発信した社内報
保管の仕方、保存場所、保存期間を決める

・社内SNSで発信した社内報
ファイル名の付け方を法則化する
(例:作成年数、作成者名、発行回数 ⇒ 20210601 田中一 第12回)

データの保管場所(フォルダ名)を決める

テキストデータと画像データの保管場所(フォルダ)を決める

最新の社内報と過去の社内報の管理ルールを決める
(最新の社内報のフォルダはパソコンの中に保存、1年以上前の社内報は、CDに保管)

など、作成した後の活用についても計画ルール化をしておきましょう。

まとめ

経営者の思いを伝え、社内コミュニケーションを図ることを目的とし、情報を発信します。

ただ、小さい会社では社内報を活用することで多くの効果が得られます。

例えば、経営理念が浸透しているかどうか、社員に社内報を作成させることで教育的な効果を得ることが出来ます。

ニュースレターとは異なり、経営者の思いや社員の考えをお客様に伝えるツールとして活用すると、お客様と話すきっかけになったり、社員が理念実現の行動指針にもなります。

場合によっては、お客様があなたの会社を理解し応援するファンになる可能性もあります。社内報を活用し社員にどのような行動、成長を期待するのか、目的を明確に定め計画的に活用しましょう。