研修はなぜ必要なのか?研修の必要性や種類、方法に応じた活用の仕方

社員研修/教育
社員研修/教育

研修とはそもそも何か

社員の教育や指導を行う際に「研修」という言葉をよく使います。「研修」という言葉を辞書で引くと次のような意味があります。

・学問や技芸などをみがき修めること(出典:広辞苑)

職務上必要とされる知識や技能を高めるために、ある期間特別に勉強や実習を
 すること(出典:goo辞書)

戦後間もない頃は、このような取り組みは、各個人が自発的に行い、できない仕事をできるように「努力」するものが「常識」とする時代がありました。

しかし、産業が変わり、生活スタイルの変化、個人の価値観の変化から、個人の自主性に任せて仕事ができるようにさせるには、限界だと思われたこともありました。

そこで企業は「研修」を行い、社員が仕事をする上で必要な知識や技術を習得する機会を与え、仕事に活用する新たなスキルの開発を支援するようになりました。

このような取り組みは、具体的にいつから始まったのか?

なぜ、仕事を覚えるために「研修」が必要なのか?

研修の歴史と必要性を説明します。

研修の始まり

仕事をしていく上で関わる人を育てるという考え方は古くから存在していました。これは多くの学術研究の論文でも述べられています。

明治時代に入るまで仕事は「家」単位で行われていました。

例えば武士の家の子どもは、武士という職業を継ぐ。商業や農業もその家の仕事は、その家の子孫や血縁者が継ぐことが一般的でした。

ですから、その家の子どもたちは、幼い頃から自分の将来の仕事が決められていて、日常的に親の仕事を見たり、一緒に作業することで仕事を覚えていました。

現代のように、改まって「教わる」という事はなく、親や古参者など古くから仕事をしている人と一緒に、作業を行いながら学習する「徒弟」という指導法が用いられていました。

「徒弟(見まね)」で仕事を覚える方法は、仕事を知っているベテラン(熟達者)が行っている仕事を、学ぶ側が作業をしながら見て、自己解釈しながら模倣して習得するという、日常的な研修状況であったといえるでしょう。

この「徒弟(見まね)」による研修は、明治時代から150年以上経っている現在でも、仕事を教える方法として根強く残ってます。

ただ産業の発達によって、この指導法では育成がしにくくなってきます。明治時代に入り、日本に工業が伝わり急速な発展をします。

更に戦争をきっかけに、工業に従事する職人を早期に大勢育成をする必要が出てきました。短期間で、大勢の人に同一的な知識と技術を習得させるには、「徒弟」の指導法では上手くいきませんでした。

特に第二次世界大戦後、高度成長期に伝わった、アメリカのチャールズ・アレンが開発した4段階職業指導法は画期的な集団指導法でした。

「徒弟(見まね)」は、教わる側の意欲と努力によって習得状況が変わりますが、この4段階職業指導法は、教える側「指導者」の視点で、どのタイミングで何を教え、教わる側にどのような取り組みを行わせるかなど体系化されていました。

これにより、多くの人に対して同一的に知識と技能の習得を短期間で行えるようになりました。

また戦後の経済復興の時代、海外からのさまざまな仕事が伝わり、江戸時代には存在していないような仕事が増えてきました。

海外から伝わった仕事と同時に育成の仕方も伝わってきました。

例えばアメリカから伝わった仕事と同時に、仕事のマニュアル化、マネジメント、コンプライアンスなどの教育も一緒に伝わってきたのです。

これらは、各個人の努力で習得することは難しいため、企業が中心となって一律に知識の習得を行う研修が行われるようになりました。

現代では仕事の種類は多様化し、習得する知識や技術もまた多様化してきました。

そのため、人の動きだけでは「見まね」ができない仕事も増え、社内だけでなく、社内の専門講師が行う研修に参加し、仕事で必要な知識や技術の向上が盛んに行われるようになりました。

さまざまな研修や指導法が存在しているのですが、実は業界間や企業間で社員の育成に関わる情報交換が行われることは殆どありません。

多くの企業は自社の育成が世の中の会社で一般的に行われているという錯覚を抱いています。

それゆえ、企業間・産業間で仕事の技術や設備に関する情報交換は盛んに行われ、仕事の内容はどんどん先進的になっていいいますが、育成や指導の仕方などの研修情報は、業界の中だけ、または経営者と親しい間柄においての情報交換でしか広がらず、人の育て方、関わり方は江戸時代から引き継がれた「徒弟(見まね)」で良いと考えられていることも多いのです。

産業技術が発展し、特にインターネットの普及で、人の関わり方・研修の仕方が多様化してきている一方で、人の育て方、関わり方は経営者自身がこれまで学んできた方法や、自社内の伝統育成法を重視するあまり、研修の化石化という現象が起きています。

研修という、仕事で必要な知識と技術を習得するという考え方は、江戸時代から存在していました。

産業の変化に伴い、仕事の内容や、それに必要な知識と技術も変わってきているのに、指導の仕方は「見まね」で止まっている企業も多いです。

 新たな仕事に対応するためには、研修の仕方も変えていかなければなりません。

研修の必要性

研修の歴史でも記入しましたが、仕事を教える「研修」の多くは「徒弟(見まね)」で行うものだと考えている方が、圧倒的に多いです。

江戸時代のように多くの仕事が、人の体を使って行うような仕事であれば、見まね学習でも全く問題はなかったでしょう。

しかし、近年の仕事は見ても真似できない(再現性がない)仕事の方が圧倒的に多いです。

つまり仕事を見せたところで、それを見た人が同じように仕事ができるようにはならないという状況です。

これでは、人を採用し仕事を割り当てても、経営者が予想しているような増収や作業効率の向上にはつながりません。

そこで、新しく入った人に、実際の仕事に従事させる前に、仕事で必要な基礎知識や、仕事の流れを教えたり、仕事で取り組む作業(接客、電話応対、書類作成、Webの設計など)の疑似体験をさせることで、仕事に慣れさせる時間を作ることが必要です。

仕事に慣れさせず、採用したその日からすぐに、自社の業務に就かせると、お客様からのクレームが発生したり、書類の記入ミスが生じ、やり直しをする時間も増え、収益や作業効率にも影響が生じます。

このような現象が起きるから、人を採用したくないとか、教えたくないとか、仕事を覚えるまでには作業させないという方がいますが、それは正に「研修」を行っていないから起きている事なのです。

お客様に失礼のないように接して欲しい、書類の記入ミスをなくして作業効率を高めたいと思うのであれば、通常業務から切り離し、ミスや間違いがあっても支障のない、いわゆる「仕事の練習」といえる研修を行うことが必要なのです。

仕事に対して知識がない人や技術がない人に、収益が伴う仕事をさせることが無謀なことなのです。

まずは、収益が伴う仕事に就いても問題ないように仕事の練習をさせる「研修」から取り組ませることこそ必要なのです。

 研修の目的

「研修」は収益が伴う仕事に就く前に「仕事の練習」として行うものです。

お客様に不信感を抱かせず、対価を頂く仕事のプロとして取り組めるよう、事前の知識の習得と、プロとしてのサービスを提供する技術の習得という2つの目的があります。

知識習得

人が行動するには、これから何を行うのか、どのようなことが起きるのかという予測が欠かせません。

仕事の場合、この予測にあたる部分が知識になります。

例えば、店舗業務の場合、お客様が来店されてから、どのような言葉がけをし、どのように振る舞うのがわかればスムーズに動けますが、それがわからなければ言葉すらかけられずに棒立ちになります。

店舗業務であれば、ある程度は仕事を見ればわかるかもしれませんが、その認識を入社間もない人に委ねるよりも、会社としてどう接して欲しいのかを事前に説明しておいた方が、教える側も教わる側も安心ですね。

社内で朝礼の前に10分間、仕事の用語、仕事の段取り、道具の名称や使い方、仕事に関する法令の説明など、仕事に必要な事前知識を得る機会を社内勉強会と呼びます。

経営者や管理職が中心となり、自社の業務に特化した知識学習をします。

社内で得られにくい、新しい業界の法令解釈や、新サービスの考え方、新しい機器や設備についての知識や、資格取得などは社外の勉強会に参加しないと得られません。

このような勉強会を「OFF-JT」とも言います。

技術習得

お客様に接するスキルや書類を作成するスキル、整体の施術やWebの開発力などは、用語や仕事の流れという知識が得られたからと言って、並列的に上達するものではありません。 

技術の向上は練習した回数に比例します。

ただ技術を向上させるためには、収益が伴うような仕事で回数を増やすよりも収益に関わらない練習となる「研修」によって、技術の習得を行わせます。

実技の技能を高める研修を社内で行う研修のことをOJT研修と呼びます。

OJT研修は「具体的な仕事を与え、その仕事を通して仕事に必要な知識・技術・技能・態度などを意図的・計画的・継続的に指導し、習得させること。」と謳われることが多いです。

しかし、収益が伴いお客様と直接関わる仕事を、いくら育成に必要だからと言って入社間もない人に任せることは、お客様にとって失礼に当たります。

どのような仕事でも、お客様と関わり対価を頂くのであれば、それは「仕事の練習の場」ではなく、「プロのサービス提供の場」でなくてはなりません。

仕事の技術習得は取り組んだ回数に比例します。

通常業務から切り離し、失敗をしてもやり直しができる「仕事の練習」をすることがOJT研修の真の目的です。

 更に、上司から指導を受けて技術習得を行うOJT研修だけでは技能習得の回数としては十分とは言えません。

教わる側が自ら自主トレを行い、技能の実施回数を高めないと向上できない技術もあるでしょう。

教わる側が自ら自主トレを行うにしても、一度は経営者や管理職から自社のやり方をレクチャーしないと、会社が求めるスキルには到達できません。

技能の到達点をすり合わせ、どのような取り組みで技術向上を目指すのかを教えることもOJT研修の目的です。

研修の効果

研修ではなく、収益が伴う現場で「見まね」による知識習得や技術習得を行わせることは、育成の視点から見て非効率です。

例えば、あなたが「仕事は丁寧にしてね。」と伝え、後は「見て覚えて」と言うと、どのような作業を、どう丁寧に行うかは学ぶ側の基準で行われます。

このような指導をすると、指導者は「丁寧さが違う」とか、「教えた通りに行動しない」と不満を抱くことがあります。

しかし、何がどのように違うのか、明確に示さない限り、このことはいつまで経っても修正できないのです。

更に同じWeb開発の仕事や整体の仕事でも、関わる社員によって出来栄えが異なるという状況も生じます。

これも、仕事の出来栄えを学ぶ側の基準に委ねているため、技能や習得時間(期間)に差が生じます。

「研修」を行いますと、

・統一知識の習得が目指せる

・同一品質でサービス提供が行える

・収益の得られる現場で混乱が少なくなり、業務効率が高まる

・お客様からのクレームが減少する

などの効果が得られます。

社内であれば、収益を得る場から切り離し、仕事の事前練習と捉えることで、自社の業務に沿った実践的な知識習得、技術習得が行えます。

 自社で学びにくい専門的な知識や技術は、社外の研修で習得すれば、新たな仕事の仕方や、指導の仕方を発見できます。

収益が伴う場で研修をすると考えるから、取り組ませる事柄に制限がかかり、結果的に社員のスキルアップに時間がかかるのです。

研修は収益の伴う仕事と切り離して行うものと捉え、早期に社員のスキルアップ、収益アップにつながるように仕事の練習をさせていきましょう。

研修の種類と内容

社員の知識と技術を高めるために研修が行われます。

研修は多種多様存在し、参加する対象者の育成目的(知識向上、技術向上、資格取得)によって、選別して活用します。

新入社員研修

新入社員研修は、高校・専門学校・大学などの学校機関を卒業した人を対象に行われるものと、転職などの中途採用者を対象に行われるものの2種類があります。

学卒の新入社員を対象にした研修は多種多様です。

社会人として最低限の所作(お辞儀、名刺交換、電話応対、来客対応、身だしなみ、言葉使いなど)を学ぶビジネスマナーから、仕事の考え方となるロジカルシンキングやクリティカルシンキング、IT系は3ヶ月間で、仕事で必要となるプログラム言語やIT技能の資格取得が行われることもあります。

これから従事する業界に関する知識研修もあります。

大手企業であれば、1週間から3ヶ月ほどの期間を確保して、学卒新人を業界や会社に対応できるように知識と技能の基礎を教えます。

中途採用の新入社員の場合は、即戦力とみなされるため、研修は殆ど行われないケースが多いです。

小さな会社では特に、研修は行わずに即、電話受付やパソコンの入力作業など、収益が伴う現場で研修を行うことが多いでしょう。

ただ業種によって、収益が伴う現場から切り離し、お客様と接するためのロールプレイング研修が行われます。

フランチャイズ事業の場合は、本部の仕事の仕方について研修することがあります。

期間は短くて3時間、長くて4日程度が多いでしょう。

新入社員研修は、本来業界やあなたの会社に馴染むための事前知識を習得させるため、今後の仕事の取り組み方を自覚させる心構えをさせることを目的に行われます。

営業研修

お客様に接するセールスに特化した内容を学ぶ研修です。

一般的な内容は、顧客の購買心理(お客様が商品を購入する時の心の揺れ動きについて)、この顧客心理を踏まえ、声のかけ方・商品PRの仕方・クロージングの仕方についての講義があります。

場合によっては学びを実践するロールプレイングを行う場合もあります。

また、電話・直接訪問・メールなど、さまざまな状況に応じた営業の仕方・言葉の掛けかた・文書の書き方などを学びます。

コミュニケーション研修

人との関わり方などを学ぶ研修です。新入社員の場合は社内の人と馴染むために、上司との関わり方・お客様との関わり方・仕事の進め方・報連相について、その他書類の書き方などが研修に含まれます。

管理職を対象とした研修の場合は、部下と自分との考え方、物事の捉え方の違いによって、意志の疎通が図れずに指示が通じない状況を考えてもらいます。

そのような時に、どのように声をかけるのか、行動を促すためにどのような言葉を用いるかなど、指導を踏まえての関わり方について学びます。

外部研修会で行われることが多く、他社の方と研修を通して関わることで、人の接し方・声のかけ方について、自己課題が見つけやすく、改善行動に移しやすい場合もあります。

接遇研修

店舗営業などお客様と接して商品販売や、サービス提供をする社員の接客力を強化する研修会です。

新入社員が学ぶようなビジネスマナーではなく、お客様を不快にさせない接し方、お客様の心に寄り添って最上級のおもてなしで接する方法を学ぶ研修です。

接客業全般に該当するような外部研修もあれば、自社の業務に特化し社内で行う研修会もあります。

接遇研修は社内で行われることが多く、全社員の接客力向上を目指します。社内で行うメリットは、自社の業務が題材になるため、実践的で即実行ができることです。

例えば整体を行うお店で、お客様に「おもてなし」を伝えるには、どのような言動をすればいいか?

お客様が雨に降られて濡れて来店された時、どのような言動をするのか?

など、実際の業務で起こりそうなことを想定し、事前練習することができます。新入社員だけでなく、既存の社員も定期的に行う事で接客力の維持と向上が図れます。

人材マネジメント研修(リーダー研修)

主に経営者や管理職(役職者)を対象にした研修です。マネジメントとは管理を意味します。

人材マネジメントは部下や後輩の成長のさせ方(指導法)、どのような方向で成長させるか(目標設定)、目標に向かっての取り組み状況の管理(進捗管理)などについて学びます。

小さな会社は、目標管理はできているが進捗管理は含まれていない。

部下や社員に対して何を指導するのかは決まっているが、その結果どうなって、どこを目指した指導なのかという目標設定が欠けているという場合があります。

人的マネジメントは、目標管理(どこに向かって)、どのような取り組みによって達成するか(アクションプラン)、その進捗はどうなっているのか(進捗管理)の3つが重要です。

人的マネジメント研修では、このような要素を体系的に学ぶことができます。

リスクマネジメント研修

会社におけるさまざまなリスクの発生原因と対策を学びます。

昨今、リスクマネジメントといえば、個人情報や機密事項などの情報漏洩をイメージする方が多いです。

しかし、事業を運営する上で、リスクはそれだけではありません。

 ・商品を過剰に作りすぎて売れなかったら…

・整体の施術ミスでお客様にけがをさせたら…

・化粧品が合わなくて、お客様からアレルギーのクレームが出たら…

・契約書の作成代行を行ったら記入ミスがあり、お客様に損失が出たら…

・Webの広告を作成したら記載内容にミスがあり、損失が出たら…

など、日々の業務には、さまざまなリスクが生じます。

リスクを事前に想定することで、発生原因を事前に把握できれば、予防対策を確認し、行動をトレーニングすることで発生を防げます。

リスクマネジメントこそ、収益の出る現場から離れ、事前練習をすることにより業務効果が表れやすい研修になります。

コンプライアンス研修

コンプライアンスは「法令遵守」とも言われ、社会倫理にどのように従って事業活動を行うのか、企業のあり方として、率先して取り組むこと、企業姿勢として絶対に行わない事などを教えます。

企業によっては理念教育の一環としてコンプライアンス研修を実施します。

一般的な研修の事例でいえば、IT企業でWebの開発や動画などの情報を提供する時、他の人が考えたことは必ず誰の意見なのかを示す「出典」を付けるとか、無断で使用しないための著作権の扱い方などを学びます。

近年では、ものづくりをしている企業が自社製品を作る際に出るごみ(産業廃棄物)をどのように処理をするかを開示したり、自社製品を販売後、回収し再使用(リサイクル)し、地球環境に配慮していることを示すことがあります。

経営理念の実現に向けて、上司と社員との関わりに「ハラスメント(嫌がらせ、いじめに繋がる言動)」が生じないように教育することもコンプライアンス研修です。

コンプライアンス研修は、表面的な意味は社会倫理の遵守、法令遵守ですが、本質的には、企業倫理の開示と実行という経営者のあり方を教えることです。

企業として「していいこと」「してはいけないこと」を教え、全社的に考え方を共有させることもコンプライアンス研修の役割です。

プロジェクトマネジメント研修

プロジェクトとは、定められた期限内に、同じ目標の人たちと役割を分担しながら力を合わせて目標を達成する取り組みです。

 例えば、地域のお祭りを開催するために、同じ地域の商店街の人たちが集まって、いつまでに、誰が、何を、どうするのかを話しながら、取り組んでいくことです。

小さい企業では、いくつかの会社と協力して仕事をしていくことがあります。

これもプロジェクト的な働き方です。

しかし、人によっては、このような協働作業をしたことがない方もいます。

期間限定の仕事の進め方、他社(他者)と連携した仕事の関わり方、仕事の割り振りの考え方、仕事の管理(マネジメント)の仕方、プロジェクトの指揮の仕方などについて学びます。

モチベーションアップ研修

人の行動の原動力は意欲です。

この意欲を意図的に高めることで仕事の作業効率が高まり、会社の収益アップにつなげることができます。

しかし、意欲はその人自身が意識して高めることが必要です。

この研修会では、人はどのようなことで意欲が高まるのか、マズローなどの理論を用いて、意欲(欲求)の原理について学べます。

講義によっては、仕事の特徴と意欲のつながりを示す「職務特性モデル」という理論を使い、仕事と意欲の関連性を学びます。

新入社員であれば、どのような仕事の関わり方をしたら自分のモチベーションが高まるのかを考え、業務で活用する方法を考えます。

管理職の場合は、自分の部下や後輩に、どのような指示の出し方や仕事の割り振りをするとモチベーションが高まるのかを考えさせ、実務で活用できるようアクションプランを考える内容もあります。

意欲的に仕事をすることや仕事に取り組ませる方法を学ぶものです。

キャリアマネジメント研修

キャリアとは経験を意味します。その経験をどのように管理するかを学びます。

新入社員であれば、会社が求めるスキル(接客スキル、書類作成スキル、ITスキルなど)を、いつまでにどのように習得していくか、目標設定と進捗管理について学びます。

管理職や女性支援などの研修であれば、ワークライフバランスという切り口で、仕事の仕方と、人生の過ごし方をどのように考えるかという研修会もあります。

キャリアマネジメントというと、人生設計と思われる方が多いのですが、これまでしてきた経験と今後仕事で必要となる、まだ習得していな経験をどのように獲得していくかを考え、自己管理できるようすることが本来の目的です。

大企業で多く行われていますが、小さな会社でもこのような研修は必要です。

小さな会社は社員の成長が事業の成長に直結します。

社員が自社の理念を実現できるように、まだ獲得していない知識や技術を、いつまでに獲得して、どのように働くかを計画し実行してくれたら、間違いなく会社の収益アップが見込めます。

外部のキャリアマネジメント研修は、一個人としての経験の重ね方について学べます。

社内で行うキャリアマネジメント研修は、全社員に対して会社の理念実現のために、どのように経験を積み重ねるかを考えさせることができます。

実は理念浸透や理念実現を目指すアクションプランを考えるのにも適した研修です。

研修の形式 メリットとデメリット

研修はさまざまな形式で行われます。その形式によるメリットとデメリットを確認しましょう。

集合研修(聴講型)

社内でも社外でも、一度に多くの人に情報を伝える時に行われるのが、聴講型の集合研修です。

例えば労働基準法が変わったことで、自治体などが企業に対して一斉に解説をする勉強会などが聴講型の集合研修です。

OFF-JTともいわれる研修です。

社内では、全社員に対して価格の変更に関する説明や、新しく導入した機械の説明をする時などに行うスタイルです。

メリットは、一度に多くの人に情報伝達ができることです。

デメリットは、相手が理解できたか、否かは考慮されず、一方的に情報が伝達されることです。

一斉に、多くの人に、同じ情報を伝えることはできますが、そのことを相手が理解できたかどうかについては、重要視されません。

集合研修(ワークショップ型)

仕事を行うためには多くの能力(スキル)が必要になります。

例えば、接客力の向上や、指導力の向上など、話を聞いただけでは実行が難しい能力開発に関しては、話を聞いた後に演習(ワークショップ)を行います。

他者と話し合ったり、仕事と同じ場面を想定して行動確認をすることで現状の課題が明らかになり、改善行動が行いやすくなります。

集合研修(ワークショップ型)は、思考力(考え方)・人との接し方(接客力、対話力、コミュニケーション力、指導力)・マネジメント(目標設定、プランニング、進捗管理)などの能力開発を行う時に活用されます。

社内ではOJT研修、社外であればOFF-JT研修として行われます。

メリットは講義内容を実際に体験することで、自分の課題に気がつきやすく、実務に移行しやすい点です。

デメリットは、高度な教育設計の基で実施されることです。OJTで行うには事前に入念に準備をしてから実施しないと、思うような能力開発が行えない場合があります。

まずは、OFF-JTで専門家が行うワークショップを参考にし、OJTとして導入すると良いです。

 資格取得研修

業務で必要な資格を取得するために参加する研修です。

資格に必要な知識と技術の習得を目指します。

資格の種類にもよりますが、研修会に参加しただけで資格が付与されるものもあれば、知識研修・技術研修の両方を受講して初めて、資格を取得する試験に参加できるというものもあります。

メリットは社内で教えることができない専門的な知識を習得し、資格が取得できることです。

デメリットは社内で教えることが難しく、不明点があってもカバーができないことです。

実技研修(技能研修)

資格取得後に行われる研修会です。

主にものづくりの仕事や、整体・エステ・接客・インストラクター・コンサルティングなどの専門資格を有し、その技術を衰えさせないように、定期的にレベルアップをする際に行われる研修です。

メリットは、現在研修している技能の向上が図れることです。

デメリットは、年に1回・5年に1回など実施回数が少ないことです。

また、回数が少ない分習得するための時間数が8~30時間以上と講習時間が長いことが特徴です。

保有資格を更新するために行われる研修ですと、受講しないと資格が失効される場合もあります。

管理職は、このようなデメリットを理解しておかないと、社員に不満を抱かせたり退職の要因になることもあります。

実技研修は外部講師を社内に招きOJTとして行うことがありますが、専門家指導の下で他社の方々と一緒に取り組むOFF-JT研修が多いです。

E-learning(問題解答型)

社内で専門的な知識を短期的に教えたいが、社内で教える人がいない(少ない)という場合があります。

このように知識を教えたいが指導者がいない(不足している)という状況で、社員に自己学習させるのに利用するのがe-learning(問題解答型)です。 

e-learningは専門の企業が提供している教材を活用することもあれば、社内で専用のe-learningを用意し活用することもあります。

e-learningは終了後に必ずテストが実施されるので、受講者の理解度も把握できます。

採点点数で合格ラインを設け、合格点に達しない場合は、何度でも再学習を行うことができます。

メリットは、指導者がいなくても、社員の自主学習ができることです。

教えるために指導者の業務時間を削ることなく、新入社員1人だけで知識学習ができます。

受講後の理解度や社員の能力状況が把握しやすいのもメリットです。

デメリットは、利用に多少の費用がかかることです。外部を利用するにも自社内で行うにしても、導入するには多少費用がかかります。

またe-learningを社内で導入した場合、年数が経つと内容に古さを感じることがあります。

数年に1度のメンテナンスが必要になり、そこで再度費用が発生します。

また、文字で習得するものが多いので、読解力が乏しい人は習得に時間がかかることや、他の社員のサポートが必要になるのもデメリットです。

定期的に仕事で必要な知識の更新を行い、社員の自己学習で取り組ませたいのであれば、e-learningの活用は有効性があります。

オンライン研修(録画聴講型)

インターネットの通信技術の進化から、録画された動画を使った学習ができるようになりました。

メリットは、遠方にいる人の講義でも社内や自宅で受けることができるので、講義時間を合わせる必要はなく、自分の都合で聴講できることです。

講義場所に移動する必要がないので、移動時間や移動費などが軽減できます。

文字だけを用いたe-learningとは異なり、資料や写真などを使いながらの講義になるため、理解がしやすいです。

デメリットは、疑問や不明点があった時に、その場で聞くことができないことです。また聴講するための環境整備(パソコンや通信回線の設定など)が整っていない・パソコンなどの機械操作ができないと受講ができません。

録画を使った学習教材は多数あり、趣味の範囲から実務レベルまで多種多様です。

その中で業務活用できる内容を見つけ利用していきます。

オンライン研修(双方型)

インターネットの通信技術の向上で、インターネット上の空間に複数の人が集まり、同時に会話ができるツールが開発されています。

このようなツールを使うことで、オンライン上に人が集まり、意見交換や勉強会が出来るようになりました。 

メリットは、場所を問わずインターネット上に集まった人と、すぐに意見交換が行えることです。

これまでのように、東京・大阪など開催地域や、参加人数が限定されると、話を聞きたくても移動時間や経費を考えると参加できない場合もありました。

しかし、オンライン研修(双方型)であれば、開催地を問わず自宅や会社からでも参加できます。

参加人数の制限も少なく、一度に500~1,000人規模の勉強会も行うことができます。

移動費もかからず、更に参加費が無料から数千円と安価で受けられることもメリットでしょう。

最新の技術や指導法などをお互いに意見を出しながら情報交換できます。

デメリットは、主体性を持ち積極的に参加をしないと、オンライン研修(聴講型)と変わらない状況になることです。

また、聴講するための環境整備を整える必要があり、パソコンなどのITリテラシー必要不可欠です。

まとめ

研修は仕事をするための知識と技術を習得するために行うものです。

戦後間もない頃は、自己努力でするものだと考えられ、いまだにその考えが根強い会社もあるでしょう。

しかし、産業構造が変わり、仕事で用いる技術も劇的に変化しています。

特に近年IT化が進む中で、横で仕事を見ていても知識の習得や技術の習得に至れないことの方が圧倒的に多いです。

本気で自社の理念を実現し、収益アップを目指したいと思うのであれば、経営者や管理職と同様の知識と技術を社員にも習得させる必要があります。

それは社員の自己努力ではなく、会社が主導し、求める基準や回数を計画し実施していくしかありません。

本来、人を育成する計画は事業計画と一緒に考えます。

例えば繁忙期に人を採用しても教える暇はなく、むしろ人手が取られて効率が下がります。

人は閑散期に採用し、その期間で育成をします。そして繁忙期には即戦力となるように育てていくのです。

研修は、思いつきで行うのではなく、事業計画と連動して行うことです。

社員に強化・向上させたい能力も経営理念から考えていきます。

理念実現に向けて、あなたの会社ならではの研修計画を考えてみてはいかがでしょうか。