営業マニュアルは必要なのか?
この記事を読んでいるあなたは、
「営業マニュアルを作って、営業力を底上げしたい」
「営業マニュアルを作って、営業マンの育成コストを削減したい」
「営業マニュアルを作って、人による成果のバラつきをなくしたい」
と思われていないでしょうか?
営業力を上げるためだけでなく、組織化、仕組み化においても、営業マニュアルは不可欠です。
なぜなら、営業マニュアルがないと営業チームの人間が自己流で行ってしまうため、業務が属人化してしまうからです。
業務が属人化してしまうので、「成果が出る営業マン」と「成果が出ない営業マン」が生まれてしまいます。
成果が出ない営業マンはポジションを変えれば最悪OKと思われますが、最初から成果の出る営業マニュアルを育てておけば、これらの問題は起こり得ません。
「そんなに簡単に成果が出る営業マンを育てられたら苦労しないよ」
という声が聞こえてきそうですが、今回お伝えするように営業マニュアルを作って頂ければ、それは可能になります。ぜひご参考くださいね。
営業マニュアルを活用するメリット
営業マニュアルを活用するメリットは以下の4つあります。
売上、成約率が上がる
この記事を読んでいる方の中には
「営業はマニュアル化できるものではない」
「マニュアル的に営業してしまうと売れにくいのでは?」
と思われる方もいらっしゃると思います。
しかし、これらは間違いです。
営業をマニュアル化することで、売上がアップし、成約率もアップします。
コレは弊社で実証済みです。
弊社は各種クラウドサービスを運営していますが、かつては代表自身が自ら営業をしなければならない状態でした(随分前の話になりますが)。
しかし、今は各サービスごとに営業担当がおり、代表に引けを取らない成約率で営業をできています。
営業が代表一人、またはトップセールス担当依存状態になっている、というのはいつか売上に限界が来てしまいます。
今のうちに営業マニュアルを作って、「誰でも成果が出る」状態を作っていくことが大切です。
営業の成果が標準化できる
営業マニュアルを作って活用することで、営業に携わるメンバーの営業力を底上げできます。
「トップセールスがいて、それ以外のメンバーはぽつぽつとしか成果が出ていない」という状態はもったいないです。
会社の規模によっては、トップセールス=社長の場合もあります。
トップセールスがせっかくいるのであれば、ナレッジを共有してもらうなどの仕組みを作ったり、マニュアルを作って売れる秘訣を反映させていくべきです。
営業マニュアルを活用すると自ずと売れる秘訣を共有することになりますので、営業の成果をメンバー間で標準化できます。
属人化しなくなる
営業の成果を標準化できるということは、営業の仕事が属人化しなくなる、ということです。
そもそも組織運営において、仕事が属人化することは悪でしかありません。
業務を拡大していくことが難しいですし、その人が辞めたら属人化していた仕事はできなくなります。
仕事が属人化せずに、仕事が人に紐づく形を実現できれば、組織編成、採用、退職という事態が起きてもクオリティを落とさずに素早く対応できます。
教育コストを削減できる
ちゃんとした営業マニュアルがあれば、新人営業マンが入ってきた際に一から教えるという手間がなくなります。
「まず営業マニュアルを確認しておいて不明点があれば質問してください」と指示しておくだけで、最低限のことは伝えられます。
営業マニュアルがなかったら、面談を何回も経て、時間を取って手取り足取り教えていかなければなりませんので、今まさに教育を負担に感じているのであれば営業マニュアルを作りましょう。
営業マニュアルの内容と作成手順(弊社事例)
営業マニュアルは具体的にどのようなものなのでしょうか?弊社の事例をご紹介しながら、営業マニュアルの実際の内容と作成手順についてお伝えします。
手順0. 担当者を決めてどんなマニュアルを作るのか決める
まずはマニュアルを作る担当者を決めましょう。
誰がいつまでにマニュアルを作るのか責任の所在が明確でなければ、中途半端になってしまいます。
マニュアル作成者は、その業務の責任者が適任です。
なぜなら、その業務について経験があり、精通しているからです。
手順1. 営業のワークフローを明確にする
仕事には、必ず一定のプロセスがあります。
一連の業務プロセスを「ワークフロー」と言います。
弊社のクラウドサービスは、基本的に以下の流れでリード化し、セールス、ご契約という流れで営業のワークフローを設計しています。
↓
無料ノウハウ動画登録・視聴
↓
動画のアンケート回答
↓
日程調整をして10分電話セールス
↓
ご契約
あなたの会社も、見込み客に認知してもらってから見込み客とコンタクトを取って、商談へ進み、契約するという一連の流れ=ワークフローがあることでしょう。
ワークフローがなければ、その都度その場対応をしているということなのでとても効率が悪いです。
早急にワークフローを作り、明確にしましょう。
営業マニュアルでは、上記のような全体の営業のワークフローをまず理解してもらう必要があります。
手順2. 営業についての理解を深めてもらう
弊社でいう「営業」とは、「営業マンのトークスキル」のような狭義の世界観ではなく、お客さんに認知してもらってからのマーケティングファネルの設計から、販売、アップセル、紹介をいただくまでの一連のコミュニケーションすべてのことを表しています。
ですので、「営業」についての考え方や、テクニック的な部分など弊社の考え方やノウハウをインプットしてもわなければ話が進みません。
ですから、弊社オリジナルのセールスノウハウをインプットしてまずセールスについての理解を深めてもらうことをしています。
そのために、Eラーニングのような形でセールスノウハウについて学べるようにオンラインで学べるプログラムを作っています。
このプロセスがあるかないかでは、営業マンの今後の成長度合いが違ってきますので、ぜひこのプロセスを入れてみられることをお勧めします。
手順3. セールスの型を理解してもらう
営業について理解を深めたら、実際の商談においてどのようにセールスを進めるのかを伝えています。弊社では、セールス時のスクリプトは以下の型に落とし込んでいます。
それぞれの型の目的を理解して、実践のイメージを深めてもらいましょう。
アイスブレイク
→アイスブレイクの目的は、「良い人だと思ってもらうこと」です。
多くの場合、セールスマンから何かを売りつけらるのではないかとお客様は警戒しています。
なので、まずは良い人だと思ってもらい、本音で話してもらうようにする場を作ることが重要です。
アイスブレイクの成否で、成約の可否が決まると言っても過言ではないです。
良い人だと思ってもらうためには、例えば、共通項を探る質問をするなどポジティブな話題につなげるための質問をすることです。
また、相手のことを心から敬意を持ちながら接することです。
敬意を持ちながら接していると、それが相手に伝わります。
そうされると相手は嬉しくなるものです。
キークエスチョン
→アイスブレイクが成功したら、キークエスチョンをしてプロダクト説明のきっかけをつかみましょう。
キークエスチョンとは、その質問をすれば、セールス上のポジティブな内容を引き出せることがわかっている質問のことを指します。
弊社事例であれば「無料動画はいかがでしたか?」という質問です。
無料動画を見て、弊社サービスに興味を持っていただいている方にしかセールスはしないので、ポジティブな答えを引き出せることが分かっているからです。
この質問によって相手は自身の課題感や改善の必要性をつらつらと話し始めます。
ここをいかに引き出せるかがポイントです。
プロダクト説明
→キークエスチョンをして、相手がプロダクトの必要性を感じたことを察したら、「◯◯◯◯(プロダクト名)のご説明をさせていただいても良いですか?」とプロダクト説明をする許可取りをします。
この許可どりをすることで、相手がプロダクト説明を聞く態度となり、心置きなくプロダクト説明ができるようになります。
ここでプロダクト説明のスクリプトを発動しましょう。
この際に、注意すべきことが一つあります。
それは、「相手の言葉を使って、無駄な言葉、曖昧な言葉を使わないこと」です。
例えば、上記1や2のプロセスで「経営計画」という言葉やニーズが出なければそれは使ってはいけません。
相手が弁護士であれば、「士業のみなさまに使っていただいてます」などと抽象化したり曖昧な言葉にせず、「弁護士の方が多く使っていただいて成果出していただいてます」と相手に合わせて明確な言葉を使いましょう。
クロージング
→一通りプロダクト説明が終わったら、不明点などないか聞いて不明点をクリアにした後で、「プロダクト内容聞いてみて、いかがですか?」と明確に相手の検討状況を問いましょう(売れない人は断られることが怖くてこれを聞くことができません)。
ここで相手が渋るようであったり、言葉煮詰まるようであれば、一緒に解決方法を考えていくというスタンスで反論処理をしましょう。
この後、成約を握れたら、「この後本日の話の内容をまとめてお申し込み方法などメールをしますので、お早めにお申込みください」と念押しします。
事後フォロー
→メールや電話にて、商談時に話した内容やポイント、熱い想いなどをまとめて、商品申込みページURLも合わせてお送りして、お申込みいただけるまでしっかりとフォローをしましょう。
レスがない場合は、粘り強く定期的にプッシュし続けることが大事です。
手順4. 実際のセールス動画を見て全体感を掴んでもらう
セールス現場での型を理解したら、もっとイメージを高めてもらうために、社内でのセールスロールプレイング動画を観てもらいます。
セールスロールプレイング動画は、実際にZoomなどでセールスのロールプレイングをしたものを収録したものなので、わざわざ新しく用意する必要はありません。
このように、社内用のコンテンツを作成して有効活用することは大変お勧めです。
手順5. スクリプトを作成してもらう
セールスの型を理解してセールスロールプレイング動画を観てイメージがついてたら、その型を肉付けする形で売りたいプロダクトのセールススクリプトを作成してもらいます(既にスクリプトがある場合は不要です)。
ただ、一字一句スクリプトを読むと、相手を「説得」する形になりがちです。
「説得」するセールスでは売れません。
この際に注意していただきたいことは、スクリプトはあくまでスクリプトなので、相手の話を聞いて、相手の言葉に合わせてスクリプトを展開することが重要だということです。
手順6. 場数をこなしてPDCAサイクルを回してもらう
セールスのスクリプトが完成したら、何度も何度も練習した上で、セールス本番に臨んでもらいましょう。
まずは慣れるまでは場数が必要です。
録音や録画をしてもらって上司がフィードバックをするなど、成果が出るまでは粘り強くサポートすることが大切です。
営業マニュアルを作成するポイント
以上、営業マニュアルの作成手順をかなりリアルにご紹介しました。
少しはイメージできたでしょうか?
次に、営業マニュアルを作成するに当たって3つのポイントがありますのでご紹介します。
マニュアルの必要性を伝える
1つ目のポイントは、「そもそもなぜマニュアルが必要なのか?」を社内周知をすることです。
いきなり「マニュアルを作りましょう」と社員が言われても、そもそもなぜマニュアルが必要なのかが理解できていないので、クオリティの低いマニュアルとなってしまいます。
誰が見ても分かるくらい客観的具体的な内容にする
2つ目のポイントは、「誰が見ても分かるくらい客観的具体的な内容にする」ことです。
特に新人営業マンは、営業とは何か、営業の型はどんなものか知りませんし、実際にお客さんと話をしたことがない場合もあるはずです。
そのような背景では、営業チームのメンバー間でコミュニケーションが成立しません。
マニュアルは新人営業マンでも理解でき、すぐに実践できるくらいに客観的、具体的に作り込むことが重要です。
デジタル化する
3つ目のポイントは、「デジタル化」することです。
マニュアルを紙ベースで作っている会社は未だに多いでしょう。
しかし、今はデジタル化の時代です。
テキストや動画に落とし込んで、クラウド上でいつでもどこでもマニュアルを閲覧できるようにしておけば、とてもスムーズです。
例えば、セールスのロールプレイング動画を収録してマニュアル化することはとてもお勧めです。
実際のセールス現場でのイメージが一瞬で伝わりますし、声のトーンや間の取り方なども伝わります。
まとめ
以上、弊社の事例を具体的にご紹介しながら、営業マニュアルの内容と作成手順、作成にあたってのポイントをお伝えしました。
営業マニュアルを作っておかないと、営業の仕事がいつまでも代表やトップセールスしかできないままで、属人化してしまいます。
まずは営業マニュアルを作成する責任者を決めて、ワークフローを明確にして、新人営業マンでも理解、実践ができるように客観的具体的にマニュアル作成を始めましょう。
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