社長の時間管理は最重要課題
この記事をお読みになっている方は、「時間がない」「もっと時間管理を効率的に行いたい」と思われている中小企業の社長の方だと思います。
社長の時間がない理由は2つあります。
それは、
・個人商店の感覚のままである
・社長の仕事を知らない
ということです。
細々とした時間管理術は別の記事に譲るとして、これらの根本的課題を解決しない限りは時間に関する悩みは無くなりません。
これらの根本的課題を放置してしまうと、会社の成長を阻害する大きな要因となってしまいます。
なぜなら、社長の時間がなく会社の「仕組みづくり」「組織づくり」に時間を割くことができないからです。
今回の記事では、5ステップで社長の時間を倍増させる行動指針についてご紹介いたします。
まずは社長の仕事は何かを知る
先ほど、社長の時間がない理由は、
・個人商店の感覚のままである
・社長の仕事を知らない
の2つあるとお伝えしました。
多くの社長は、1名〜数人で事業を始めます。
創業メンバー以外にも人を雇えるようになるまでは、特にルールなども必要なく、個人商店の感覚でやってこれました。
しかし、いざ人を雇うことになっても同じ感覚でいてはいけません。
個人商店の感覚で明確なルールや仕組みもなく、仕事が属人化してしまっている状況では新人は混乱してしまいますし、ストレスも溜まります。
その結果、早期に離職してしまって「ああ、また辞められてしまった」と嘆いては採用活動を頑張って、と同じことの繰り返しになってしまいます。
このままではいつまで経っても社長の「時間がない」という課題は解決しません。
社長の時間を生み出したいのであれば、社長の仕事とは何かを知ってください。
社長の仕事はオペレーションではありません。
強い組織、仕組みをつくることです。
社長であるあなたがいまだにオペレーションを行っていたら、それは今すぐ業務を客観的に言語化して切り出し、人に任せましょう。
弊社はセールス、マーケティング、バックオフィス、経理、カスタマーサポートなどほぼ全ての業務をマニュアルとして言語化し、人に仕事が紐づくのではなく仕事が人に紐づく状況を実現できています。
しかし、数年前までは今とはかけ離れた状況でした。
人に仕事が紐付き、社長自身がほぼ全ての仕事をこなしていました。
決して自慢がしたいわけではなく、社長の仕事は何かを知ることができれば、会社は確実に変わる、ということをお伝えしたいのです。
組織/仕組みづくりは経営計画策定から始めよう
社長の仕事は、強い組織、仕組みをつくることだとお伝えしました。
強い組織、仕組みをつくると言っても、バックオフィス、セールス、マーケティング、経理、カスタマーサポートなど様々な業務があってどこから手をつければ良いのかイメージがつかないかと思います。
そんな時に間違いなくあなたにお勧めしたいのが、経営計画をつくることです。
弊社は以下のような形で社内メンバーであれば誰でも見れるクラウドシステム上に経営理念、経営計画をつくっています。
これによって社内メンバーが気軽に見れますし、会社の方向性が解像度高く伝わります。
経営計画で重要なのは、解像度が高い3年の中期計画をつくることだとお伝えしています。
まず、年間の経営計画をつくっている会社は多いですが、3〜5年の中期というタームで解像度の高い経営計画をつくっている会社は少ないです。
重要なのは、それくらいの中長期の時間軸で会社をどのように仕組み化、組織化していくかを解像度高く決めておくことなのです。
例えば、Aというプロダクトのセールス業務、マーケティング業務を社長が担当していて、セールス業務を今年中に完全に任せて、来年にマーケティング業務も完全に任せよう、といった形で組織づくり、仕組みづくりに関する計画を明確化していきます。
この決断をすることが大事で、時間がない社長というのはこの決断がいつまでもできずにいます。
ですので目先の時間管理ではなく、組織づくり、仕組みづくりに関する経営計画によって、いつまでにどの業務を切り出して、任せ切るか、そのためにどんな組織図が必要かまで決断しましょう。
断捨離のススメ
経営計画をつくるときに大切な考え方が、「断捨離」です。
小さな会社が成長を止めてしまう最大の原因が明確な戦略がないことです。
戦略なしに色々なことに手を出して、やりっぱなしになって、やること過多となってしまいパフォーマンスが最大化されないからです。
そのために必要なのが断捨離です。
まずはやめることを決めましょう。
小さな会社は、リソースが限られています。
限られたリソースの中で最大の成長を遂げるには、戦略を決めて無駄なことに手を出さず断捨離をしていくしかありません。
断捨離をするので、その分できることが増え、仕組みづくり、組織づくりにリソースを使えるのです。
経営計画をつくる時も欲張ってはいけません。
欲張らずに、着実に組織づくり、仕組みづくりに着手していく計画を立てましょう。
社長が根本的に時間を生み出す5ステップ
社長の時間を生み出すためには、目先の時間管理ではなく、経営計画をつくって根本的に解決していきましょうとお伝えしました。
以上を踏まえた上で、どのように経営計画を立てていけば良いのかをイメージしやすいように社長が根本的に時間を生み出す5ステップとしてまとめました。
ステップ1:ノウハウを学ぶ
社長がいなくても回る強い組織、仕組みをつくるためには、まずはどのように強い組織、仕組みをつくるのかノウハウを学びましょう。
これまでプレーヤーとして、ビジネスマンとしてはハイパフォーマンスでやれていたとしても、社長のやることは「経営」です。
種目が違います。
陸上競技で短距離走の人がいきなり砲丸投げを始めるようなものです。
種目が違うので、砲丸投げの必勝法、トレーニング方法を学ぶことから始めるでしょう。
組織、仕組みづくりも同じです。
どのように強い組織、仕組みづくりを効率的にしていけば良いのか必勝法を学びましょう。
ステップ2:経営計画書の作成/実行
強い組織、仕組みづくりのノウハウを学んだら、経営計画書をづくりましょう。
ポイントは、断捨離です。
欲張らずに着実に組織づくり、仕組みづくりを進めていくイメージを持ちましょう。
まず最初に経営理念を言語化し、その経営理念を実現するための3年の中期経営計画をつくります。
3年後、どのような組織に成長しているのかリアルにイメージできるまで、解像度高くつくりましょう。
そのために、将来の組織図を考えておくと良いです。
今の組織図と3年後の組織図は確実に違います。
今よりも、役割、担当が細分化され、明確に言語化されていなければなりません。
経営計画は何度もブラッシュアップして、3ヶ月くらいかけてつくり込みます。
ステップ3:PDCAの仕組み化
経営計画がつくれたら、次はPDCAの仕組み化をしていきましょう。
PDCAの仕組み化とは、目標管理、進捗管理、タスク管理など社内メンバーのPDCAを仕組み化するということです。
例えば弊社は、以下のようにクラウドシステム上で目標管理、進捗管理、タスク管理、日報管理をしています。
なので誰がどんな役割、目標を持っていて、その進捗が今どうなっていて、具体的なタスクの進捗状況や日々のPDCAまで徹底的に見える化をしています。
このようにPDCAを仕組み化することで、社長自身が担当者に「○○の進捗どうなっている?」「あのタスクってどうなった?」「○○さんは今どんなタスクを持っている?」などと確認する無駄なコミュニケーションも無くなりましたし、このように言語化してアウトプットすることによってさらにPDCAサイクルが回しやすくなる、といったメリットを感じいています。
ステップ4:ルール/マニュアルづくり
PDCAを仕組み化したら、次のステップはルール/マニュアルづくりです。
例えば弊社は以下のように社内用語やルールを言語化し、オペレーションのワークフローやマニュアルも解像度高く言語化しています。
これによって、無駄なコミュニケーションが激減しました。
新人が入ってきても、社内用語やルール、ワークフローやマニュアルを一通り見るだけで理解できるようにしているからです。
ワークフローやマニュアルを解像度高く言語化しておくだけで、担当者が変わって引き継ぎをする必要性が出てきても「こちらのワークフロー、マニュアルを参考にして、わからないことがあれば何か聞いてください」と一言添えるだけで業務の引き継ぎが完了する、ということも可能になりました。
現時点で社長自身がセールスやマーケティングをしていたとしても、今この瞬間からセールスマニュアル、マーケティングマニュアルをコツコツとつくっておくことをお勧めします。
ステップ5:トレーニング/社内教育づくり
ルール、マニュアルづくりをしたら次は社内教育の仕組み化をしていきましょう。
忙しい会社ほど、社内教育の時間が取れていません。
社内教育をせずに結果を求めてしまうので、社員はどうすれば良いかが分からずストレスが溜まり、心が折れてしまいます。
最初は週に数時間だけで良いので、社内教育の時間を取るだけで会社は変わります。
例えば、売上が上がってきたら必要になるのがセールスメンバー、セールスチームです。
社長自身がセールス業務をしていたらそれだけでも時間が取られますし、セールスは型さえちゃんと守れば誰でも最低限の成約率は担保できるので、セールスは任せてしまいましょう。
ただセールススクリプトをそのまま暗記して話してくださいね、というのも無理があります。
しっかりと現場で結果を出せるように、時間をとってセールストレーニングをしていくことが必要です。
ちなみに弊社は、週1回1時間程度はセールスメンバーに対してセールストレーニングを行っています。
オンライン(Zoom)で行って、収録をして復習をしてもらったり、後から入ったメンバーが予習をできるようにしています。
このように、きちんとメンバーが成長していけるように社内教育の仕組みをつくっていくことをしましょう。
まとめ
以上、 社長が根本的に時間を生み出す5ステップについてお伝えしました。
今回の記事を参考にして、まずは組織づくり、仕組みづくりのノウハウを学習していただき、計画、戦略を持って組織づくり、仕組みづくりを進めていってください。
また上記でお伝えした5ステップは、以下の無料ノウハウ動画でさらに詳しく解説していますので、興味のある方はぜひご視聴ください。
強い組織/仕組みづくり無料ノウハウ動画