予実管理とは?
予実管理は企業の予算と実績を管理することです。
会社が経営目標を達成し、成長し続けていくためにはPDCAサイクルを回していくことが必須です。
PDCAサイクルを回すためには、現状を正確に把握し、目標とのギャップを明確にした上でそのギャップを埋めていくことを施策として行っていかなければなりません。
予実管理はつまり、会社の予算=目標と実績=現状の差分を明確にして改善していくためにあります。
なぜ予実管理が必要なのか?
予実管理を行うと、会社の状況が数字で見える化できます。
この見える化がとても重要で、例えばプロダクトが3つあった場合、どのプロダクトの売れ行きが好調で、どのプロダクトが不調なのかも一目で分かりますし、それを改善するための施策の進捗状況も数字で明確にわかります。
もし予実管理をしていなければ、予算と実績が各部門で達成できたのか、どれほどかけ離れているのかが分かりませんので、改善のしようがありません。
無駄なコストをかけてしまうかもしれません。
つまり、予実管理をしないと、PDCAサイクルを回すことができません。
このような理由から予実管理は会社の経営を行うために必須であると言えます。
予実管理はPDCAサイクルを回して会社を成長させていくために必要なのです。
予実管理を行うポイント
予実管理でPDCAサイクルを高速回転
予実管理はPDCAサイクルを回して会社を成長させていくために必要だとお伝えしました。
PDCAサイクルとは、以下の英単語の頭文字をとった問題解決、改善のフレームワークです。
これら4つの行動を繰り返し行っていくことで、目標達成、問題解決を効果的に行うことができます。
予実管理のPlan=計画
PDCAの「P」、Planは計画を意味しています。
つまり予実管理でいう「予算」のことです。
予算とは、予め決められた数値目標のことを言います。
まず大きく会社の経営計画があり、予算目標があり、部門別に予算を割り出します。
各部門で、施策ごとに予算を振り分け、メンバーに振り分けます。
予算の目標に応じて今後のプロセスが変わっていくので、PDCAの中でも1番ベースになってくる部分です。
当然予算に無理があれば、達成は非現実的なものとなるので、さまざまな角度から見て合理的な計画を立てる必要があるでしょう。
予実管理のDo=実行
PDCAの「D」、Doは実行を意味しています。
決めた予算に対して、行う行動全てのことです。
いくら素晴らしい予算を立てても、そのために必要な行動をやり切れていなければ意味がありませんので、決められた予算に対して抜け漏れなく行動目標を立てて、Do=実行をすることが大切です。
予実管理のCheck=評価
PDCAの「C」、Checkは評価を意味しています。
計画どおりに実行がなされたか、これまでの「P」と「D」を総括するのが「C」の段階です。
つまり、予実管理で言う「実績」の部分です。
ポイントはこの実績を見える化することが大切で、見える化する仕組みを持っていないとどうしても疎かになりがちなのが「C」であるとも言えます。
仮に予算が達成できていなかったとしても、その原因がどこにあるかは振り返ってみなければわかりません。
そもそも予算に無理があったのか、それとも実行段階で何か問題があったのか、その点を切り分けするのが「C」の段階の役割です。
予実管理のAction=改善
PDCAの「A」、Actionは改善を意味しています。
「C」で洗い出した要素を踏まえ、なぜ予算を達成できなかったのか(または達成できたのか)、良かったポイントは継続、悪かったポイントはどうすべきだったか改善案を考えます。
PDCA「サイクル」と言うように、「A」の次は、次のPDCAサイクルへと繋げていきますので、ここでいかに改善策を考えて次のPDCAサイクルへ進むことができるかが重要です。
さらに言えば、PDCAサイクルは「累積回転数」が最も重要です。
最初は荒削りな予実管理でも、PDCAサイクルを回し続けることによって予算の精度が上がってきますし、どんどん改善できることで得られる実績もどんどん大きくなっていきます。
このように、予実管理のポイントはPDCAサイクルを高速回転させることにあります。
予実管理を行うステップ
上記のポイントを踏まえながら、予実管理をどのように行っていくのか弊社の事例を交えてお伝えします。
経営計画を作る
予算は適当に決めるのではなく、予め立てた3〜5年の経営計画から逆算して決めるべきです。
経営計画で重要なのは主に経営戦略の部分で、会社をどのような戦略で成長させていくのかを解像度高く決めておく必要があります。
戦略もなく予算を立ててしまうと、中長期で会社があまり成長していない、ということになりかねませんので、予実管理をする意味も薄れてしまいます。
全体、部門ごとに予算設定
経営計画から逆算して今期の予算を設定します。
予算は適当に決めるのではなく、経営計画に基づいた無理のない数字で設定することが重要です。
今期の予算を決めたら部門ごとに予算を割り振って細分化していきます。
部門とは、例えばプロダクトごと、施策ごと、分野ごとなどのチームで分けると分かりやすいでしょう。
弊社は以下のようにピラミッド状に目標設定をして各メンバーの目標を一覧できるようにしています。
これによって社内メンバーがどんな目標を持っており、どんな進捗状況なのかをリアルタイムに把握できるようになります。
メンバーごとに予算設定
部門ごとに予算が決まったら、各メンバーごとに対しても予算を決めていきます。
つまり、各メンバーの数値的な結果目標、行動目標を決めるということです。
メンバーごとの予算設定で重要なのは、効果の大きい施策に集中させることです。
ついタスクを多く設定し、こなすことで仕事をした気になってしまいがちですが、結局やらなくても良いことに対して予算設定していればその予算は無駄になります。
決めた予算に対して効果の大きい施策に集中させることが重要で、そのための課題設定こそが経営者またはメンバーの実力が問われるところでもあります。
弊社は以下のようにクラウド上で各メンバーの予実管理を行っています。
これによって、誰がどの予算を持っていて、その進捗状況がどうなのかをリアルタイムに把握することができます。
日報でリアルタイムに進捗報告
各メンバーの予算は、その予算ごとに期日がありますので、達成状況が期日になってみないと分かりません。
PDCAサイクルは累積回転数が重要とお伝えしましたが、進捗状況をもっと早く確認することでPDCAサイクルを高速化していくことが可能になりますので、「日報」によって日次での進捗状況を報告するという仕組みを作ると良いです。
日報に書く内容は、シンプルでOKです。
日報は継続しやすくするためにシンプルな構成にすることが重要で、例えば弊社の場合は、「うまくいったこと」「うまくいかなかったこと」「改善案」「ホウレンソウ事項」「明日の予定」くらいのシンプルな内容にしています。
また、予算に対しての実績が更新されれば、リアルタイムに実績の更新をしてもらいます。
それによって、実績がリアルタイムに分かりますのでとてもPDCAサイクルが回しやすくなります。
クラウドで予実管理
上記でお伝えした全体、部門、メンバーごとの予算と、その実績をクラウド上でリアルタイムに更新、確認できる仕組みをつくっておくことで、常に予算と実績のギャップを確認でき、要因分析をして、早い段階で改善していくことができます。
こうした仕組みを持っておらず、例えば月末でのMTGまで細かな数字が分からない、と言う状態では、PDCAサイクルのスピードが劇的に落ちてしまいます。
改善策を講じることが遅くなってしまった結果、赤字を掘ってしまったり、無駄なコストを使ってしまいます。
ですので、クラウド上でリアルタイムに予実管理をするということがとても重要です。
まとめ
以上、 予実管理をクラウドでリアルタイムに行う方法についてお伝えしました。
今回の記事のように、クラウド上で予実管理を行う仕組みをつくれれば、あなたの会社のPDCAサイクルが高速化して会社の成長スピードも速くなっていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
弊社が開発した見える化仕組み化クラウド「01組織クラウド」では、「経営計画」「予実管理」「日報」など強い組織、仕組みづくりに必要なことを、ノウハウを学びながら、システムで作成、実現できます。
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