小さな会社が望む「優秀な人材とは…?」 ~あなたの考える「優秀」を定義する人材育成のポイント~

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「優秀」の基準を決める

あなたの会社として求める「優秀な人材」とは、どのような能力を発揮する人をイメージしますか?
優秀さとして求めることを、思いつく限り書き出してみてくだ下さい。

例えば私の場合…

・仕事ができる

・頭が切れる

・問題解決ができる

・自分と同じくらいの仕事ができる

などが思いつきます。

しかし、ここに書き出したことに当てはまる人は、本当に優秀な人材と言えるのでしょうか…
この優秀を測る項目がなければ、優秀かどうかはわかりませんよね。

また、スポーツに例えた場合、サッカー選手に求める優秀さと、野球選手に求める優秀さとは違いますね。
ビジネスでも、業種・業態・会社が求めることによって優秀さは異なります。

あなたの会社で「優秀な人材」を求めるのであれば、その優秀さを測る項目を作っておくことが必要です。

あなたが求める「優秀な人材」について、出来るだけ具体的に詳しく整理しておきます。
ただ、やみくもに整理をするよりも、大項目から考えて整理をすると良いでしょう。

私の会社では社員に求める能力として主に3つの項目に分類して考えます。

1.ヒューマンスキル

仕事をする姿勢や人としての思いやりや気配りなど、ビジネスパーソンとしての基本スキルを意味します。
このヒューマンスキルで自社にとって求める「優秀さ」とはどのようなことなのか、事前にまとめておきます。

例えば

・自分の仕事が早く終わったら、他の人の仕事を率先的に手伝う

・常に相手の立場に立って行動ができる

・常に感謝の気持ちを言葉に出して伝えられる

などです。

このようにヒューマンスキルとして求めることを明確にしておくと、社内の育成だけでなく採用時の評価項目としても活用できます。

例えば、某行政書士事務所では、会社が求める要件の70%以上に達していない方は採用を見送りました。

その理由はヒューマンスキルがない人を採用しゼロから教えるほど、十分なマンパワーと資金がないとのことでした。

ヒューマンスキルの向上は習慣行動でしか強化することができません。
ヒューマンスキルが変化できるよう行動習慣を変え、日常行動化するには最低でも3年以上の時間を要します。

その期間、生産性のない社員を雇い続けられる余裕がある小さな会社はどれだけあるでしょうか…

更に行政書士事務所のように、お客様との信頼関係をベースで仕事をしているような場合、会社の求めるヒューマンスキルに達していない人が、お客様に対して信頼を失うような言動をしたのであれば、これまで培ってきたお客様との関係性が一瞬で崩れる恐れもあります。

加えて採用し人材育成を行ったとしても、その人の行動変化が生じる保証もありません。
ヒューマンスキルを「優秀」の中に、どこまで含めるかは経営者の判断になります。

ただ最もスキルを測ることが難しく、ゼロから育成するには膨大な時間がかかる要素であることは知っておきましょう。

2.業務知識

仕事をする上で必要不可欠な業務知識です。
例えば行政書士であれば、国家資格試験で問われるような内容であったり、会社独自の業務処理をする上で、必要な知識です。

ただ、知識はいくらでも後付けができます。
当事者の自己努力でいくらでも向上できるものです。

その知識を習得するには難易度に分けることができるはずです。

例えば行政書士事務所の場合、FAXを操作する方法や、パソコンのデータ処理の仕方など入社間もない人がすぐ覚えられる、業務知識からお客様の相続相談や、経営相談のように数年以上の業務経験で得られる知識に分けられます。

この数年以上の業務経験で得られる知識量によって「優秀」の捉え方が異なります。

経営者は、どのような知識を習得できていることを「優秀」とするのか予め整理をしておきます。

3.テクニカルスキル(業務処理力・技術力)

「優秀」な人とは、業務で必要な基本的な知識を持ち、その知識を多くの実務で活用し、様々な処理法を活用して柔軟に対応する人をイメージしますね。

どんなに素晴らしい知識を持っていても、実務経験が乏しい人は「優秀」と言われることはありません。

テクニカルスキルは、実務経験の場数に比例します。

どれだけ多くのお客様に対応し、どれだけの課題を改善してきたのか、この要素も測る項目が必要です。
テクニカルスキルの項目は、あなたの会社の仕事内容に紐づかないと、スキルレベルが測れません。

この点も経営者が、どのようなテクニカルスキルを習得していることを「優秀」とするのか予め整理をしておきます。
「優秀な人材」を求めるのであれば、まずはあなたの会社ならではの「優秀」を示す基準を先に作っておきます。

日頃、弊社伊藤が倍成長するには未来に向けたKGIやKPIを考えることが大切だと話していますね。
人の育成も未来に向けたKGIやKPIの設定が必要なのです。

あなたの経営理念を実現する「優秀な人材」とは、どのような仕事をする人なのか。
何時迄に、どのような仕事を、どれだけ行う人を「優秀な人材」とするのか。
このことが明確でないと、育成の内容が決められません。

例えば、サッカー選手として「優秀な選手」とはシュートの成功率が90%以上の人と定義した場合

・今の各選手のシュート率は何%なのか

・そのシュート率を高めるためには、どのようなトレーニングをどれくらいの期間で行うかという、育成方法が考えられますね。

あなたの会社の「優秀な人材」に育てる場合でも、事前に「優秀」の定義が必要なのです。

「優秀な人材」に育てるには

あなたの会社としての「優秀な人材」を測る基準が決まったのであれば、「優秀な人材」になるための、社員が成長するための仕組みをつくる必要があります。

人は、その人(当事者)自らが行動し、考え経験を重ねないと成長しません。
プライベートであれば、行動の範囲や取り組む内容、考える基準は全てその人(当事者)が決めます。

しかし、ビジネスの場合は会社の判断基準を学び、その判断を自分で行えるように仕事を経験させていかないと会社が求める「優秀な人材」にはなりません。
会社が求める「優秀な人材」に育てるには次の2つの取り組みをします。

1.仕事の判断基準を身につけさせる

あなたの会社にとって、好ましい判断(OKルール)と好ましくない判断(NGルール)は明確に決めていますか?
明確に決めているのであれば、その判断基準は周囲の人から指導を受けなくても、その人(当事者)が自ら考えて判断できるまで、仕事を行わせ身に付けさせます。

この判断基準は解釈の仕方が重要ですね。
謝った解釈にならないように、一定の期間を設けて「教え」ます。

2.現状把握と目標設定

会社で求める判断基準が理解できたのであれば、今後どのようなスキルアップを目指して仕事をしていくのか目標設定をします。
例えば、行政書士事務所で行政書士の資格を取ったばかりの人であれば、

・年内に相続相談の案件に3件以上関わる

・年内に相続相談でも土地の売買に関する案件に3件以上関わる

というような、具体的な目標を設定します。

この目標に対して、現在できることと出来ないことを整理します。

例えば

【できること】

・一般的な相続に関する知識

・一般的な土地売買に関する知識

 

【できないこと】

・一般的な内容に該当しない相続・土地売買の処理の仕方

・お客様に対する業務処理説明

・行政に対する提出書類の作り方

など

現状を把握できれば、どのような仕事を優先的に割り当てて、経験を積ませたらいいかを考えることができます。
経験もすぐできることと、時間の経過で経験を積み重ねないとできないこととがあります。

何をいつまでに目指すのか、仕事と目標設定を連動させて取り組む内容の割り当てをしていきましょう。

01組織クラウドのように、タスクと目標設定が連動しており、他の社員の方とも共有ができるような状況を作っておくと更に良いです。

3.仕事の割り振りとキャリアアップ

「優秀な人材」になってもらうには、仕事の経験を増やすしかありません。
その人の現状を把握したのであれば、目標に向けて仕事を割り振り経験を増やしていきます。

ただし、その経験のさせ方も工夫が必要です。
仕事に必要な資格が取得できたとしても、すぐにお客様対応をしては、どのようなトラブルが生じるのか想像ができません。

そこで、経験が浅い方はすぐに実益に繋がるような業務に就かせるのではなく、まずは社内で業務の練習をさせます。
例えば、行政の書類を裏紙などにコピーし、鉛筆などで記入の練習をさせます。
記入内容を上司が確認し、不備があれば赤字や赤印を付けて書き直しさせます。
書き直した内容で問題がなければ、正式版の書類に聖書させます。

お客様対応は社内でお役様役、相談役(経験が浅い人)に分かれてロールプレイングをします。
内線電話での受付の仕方 ⇒ 会議室への案内の仕方 ⇒ 名刺交換 ⇒ 面談前のアイスブレイク ⇒ 面談での業務内容の説明の仕方 ⇒ クロージング ⇒ 出口までのお見送り

というような、一連の流れを練習します。
全て一度に練習することもありますが、その人(当事者)のスキルレベルに応じて、内線電話の応対部分だけ、名刺交換の部分だけと部分的なトレーニングでもOKです。

この時、練習風景を動画に取っておくことで、繰り返し内容を確認することができます。
指導者側としては、一度で教えることが済みますし、教わる側としては繰り返し確認ができます。
お客様に接する前の練習を増やすことで、お客様とのトラブルを減らし社員のスキルは向上させる仕組みがつくれます。

仕事の経験を増やすこと=お客様への直接業務

と、考えていると、思うように社員のスキルは高まりません。

仕事の経験を増やすこと=社員自らの経験を増やすこと
(自主トレ+お客様への直接業務)
と考え、社員の目標達成が最短で行えるように、経験を高める機会を作っていきましょう。

関わりから離れるタイミングとスキル確認の仕方

社員が会社の判断基準を理解し、業務の経験が増えてくると、ある程度会社が求めるような結果が表れます。
このような状況になると、多くの経営者は「これで大丈夫」と安心し、社員との関わりを減らしていきます。

事前にいつまで経営者や管理職が支援し、何時からは自分一人で取り組むという計画を作成していて、その計画通りに行うのであれば問題はありません。

経営者が関わる期限を示さず、「そろそろ仕事を任せても大丈夫だなぁ」と考え、急に社員との関わりを減らした場合、社員によっては「自分は何か良くないことをして経営者に見放されたのではないか」と妙な不安感や、疑心暗鬼を抱きモチベーションを下げてしまう場合もあります。
社員がスキルアップし成長を感じ、指導などの関わりを減らすのであれば、必ず社員へ関わりを減らしていくことを説明しましょう。

また、関わりを減らしたとしても、一定の期間で社員が求める能力が習得できているのか、我流で会社の求めるような仕事の仕方を止めていないか、確認をする必要があります。

このことも、思いつきで行うのではなく経営計画の中に人材育成に関する要素も含めて一年間を通して計画をしておくと良いです。

スキルチェックを経営者と当事者の問診で終える会社もありますが、例えば社内オリジナルの技能コンテストを開催しても良いでしょう。
技能コンテストは製造業の方がモノづくりの技術を示したり、接客スキルを示す社内評価制度の一環として行われることが多いです。

ただ、小さな会社で事務系の仕事であっても、見積書を正確に作成するタイムレースとか、お客様の定型文を要約する速読レースのような取り組みがあります。

要は、社内でこのような経験をしている人を「優秀な人材」と全社員に示し、経験の足りない人にとってはモデルケースとして、経験のある人にはより良いサービスを意識させるきっかけとして活用します。

会社が求めているスキルを社員に周知したのであれば、そのスキルに達しているかどうかは、定期的にチェックをする義務が生じます。
ここを怠ると、社員のモチベーションが下がりスキル低下が生じます。

まとめ

あなたの会社が「優秀な人材」を望むのであれば、まずあなたの会社が考える「優秀な人材」を測る項目を作成しておきましょう。

もし、どのような項目を考えたらよいのかわからないのであれば、ヒューマンスキル・業務知識・テクニカルスキル(業務処理力・技術力)の3つの要素から考えてみましょう。

ヒューマンスキルは採用前に確認ができる要素です。
もし、あなたの会社が設定したヒューマンスキルに満たない社員が入社した場合、育成に3年以上の時間が掛かることを覚悟して育成をしましょう。
育成は経験の回数でしか結果が現れません。

しかし、経験が少ない人にお客様対応を任せるのは不安ですよね。
経験が少ない人は、まず社内トレーニング(自主トレ)の機会を作り、経営者や管理職がスキル確認をしてから、お客様対応をさせるようにすると良いでしょう。

また、会社独自の「社内技能大会」のようなスキルチェックの機会を設け、社員が楽しんでモチベーションが高まるような演出をすることもお勧めします。

「優秀な人材」は、あなたが何もしないで天然栽培のように、自然に育つようなことはありえません。
あなたの望む基準に沿って、求める「優秀な基準」に至るように、仕事を割り当てスキルの軌道修正を行いながら「優秀な人材」に育つよう経験を積み重ねさせます。
この経験は、思いつきで行うのではなく、何をいつまでに目指すのか、仕事と目標設定を連動させます。

01組織クラウドのように、タスクと目標設定が連動し他の社員の方とも共有ができるような状況だと、成長が把握しやすいですね。
また、トレーニング動画や仕事のワークフローやマニュアルも作成し保存ができます。

01組織クラウドのようなシステムを利用し、あなたの会社のオリジナル教育システムを作成し、あなたの求める「優秀な人材」を育成していきましょう。